《普通に買えましたよ》大谷翔平のWSチケット「バックネット裏は1300万円」過熱報道に違和感

ワールドシリーズで活躍が期待されている大谷翔平

 いよいよ日本時間10月26日(現地時間25日)から始まる、大谷翔平(30才)が出場するMLBワールドシリーズ(WS)「ドジャース対ヤンキース」に、日本国内の報道合戦も最高潮に過熱してきた。

 中でも、連日煽るように報じられているニュースは、チケット価格の高騰について。25日放送のテレビ朝日系『モーニングショー』では、「リセールサイト(主催者公認の転売サイト)でのバックネット裏は1300万円、900万円!」、「まだ観戦できるラストチャンスは、観戦ツアー100万円」などと紹介された。

 ネットでは、「あまりにも馬鹿げた金額」などの反応も出ているようだが、やや、“偏った報道”なのかもしれない。

 1年半前に日本中が熱狂した侍ジャパンのWBC世界一の瞬間を観戦に行き、NEWSポストセブンに現地リポートを寄稿していた49才バツイチ・元スポーツ紙記者の瀬津真也氏が、再び大谷選手歓喜の瞬間を応援にと、WSのチケット購入に挑戦していた。すると「拍子抜けするほど、正規の方法で普通に購入できました」と明かした。

 狙いを定めたのは、優勝が決まる可能性の最も高い第6、7戦。9月末のレギュラーシーズン終了時。両リーグを通じて勝率1位で終えたドジャースは、仮にポストシーズンを勝ち進みWSに進出した場合、アドバンテージで第6、7戦をホームのドジャースタジアムで試合をすることが確定した。

「まだ、チケット発売前でしたが、リセールサイトには、WSチケットの入手が確約されている同スタジアムの年間シート保持者が、その権利を早々に売りに出していました。最上階の最安値が12万円。高いか安いかは分からなかったけれど、思い切って第6戦の分だけ購入しました」(瀬津氏、以下同)

 まだ、本当に勝ち上がるか分からない時点での購入は勇気がいるように思えるが、「途中敗退で開催されなければ全額返金されるので、戻ってこない手数料分は安心料だと思って、迷わずに支払いました」。

 どのタイミングでの購入が最もお買い得かは分からないので、第7戦のチケットは一般発売での購入に賭けた。10月18日深夜2時。まだ、ドジャースはナ・リーグ優勝決定シリーズ中だったが、ロサンゼルス時間17日午前10時に販売がスタート。

「うとうとしながらドジャース公式HPの販売ページを、ひたすらクリックし続けました。全くつながらずに諦めかけた2時半過ぎに、ようやくログイン。すでに安い座席しか残っていませんでしたが、無事に最安値910ドル(約13万円)の1枚を買えました。球団販売の定価が13万円で、一瞬たじろぎましたが、相手は43年ぶりのヤンキース。全米でも最も人気の2球団、しかも、2大スーパースターの大谷選手とジャッジ選手の対決。一生に一度しかないビッグマッチなので、自然とクリックボタンを押しちゃっていました」

 もちろん正規販売は、そのまますぐに完売。シリーズ初戦が始まる直前の25日時点では、リセールサイトで最安値22万円前後で売買されており、観戦する場所にこだわらなければ、必ずしも数百万円支払わなければいけないわけでもなさそうだ。

「昨年のフロリダでのWBC決勝戦は、最安値120ドル(約1.6万円)でしたから、たしかに定価で10万円以上は高いと思いますね。ただ、3月に見に行った韓国でのMLB開幕戦は、クーパン・プレイという韓国の動画配信サービスの会員しか買えず、しかも、韓国人の購入者に同伴しないと観戦できなかったので、遥かに入手困難でした。それに比べたら、日本からでも簡単に購入できるのでぶん、ハードルはそこまで高くはない。まるで億万長者しか見られないような煽り報道には、少々の違和感を覚えています」

 日本のプロ野球のニュースはもちろん、27日の衆議院議員選挙よりも大きく報道されて、国民的一大行事になってきた大谷ドジャースのWS。とにもかくにも、ここから本当のクライマックスが始まる。

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