【華麗なる始球式2024】華やかな投球フォームと衣装でスタジアムを彩った女性たち“アイドル登板”のきっかけは1992年の宮沢りえ
白熱するペナントレースに華を添えるのが、美女たちによる始球式やセレモニアルピッチ。登板するゲストはどのように選ばれるのか。
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「当球団のセレモニアルピッチは試合開始20分前を目途に行なうイベントで、選定基準や演出の自由度も高いです。旬な方、地元出身や球団ゆかりの方、ファンを公言されている方が中心となります。一方、始球式はゲームスポンサー様の代表者もしくは実施企画で選ばれるタレントさんや一般の方が主です」(西武ライオンズ広報部)
5月6日のDeNA VSヤクルト(横浜スタジアム)に登場したのは、プロレスラーの岩谷麻優(31)。
「リング入場の際にリストバンドを客席に投げるパフォーマンスを続けてきました。『いつかは球場でやってみたい。目標は始球式』と描いた夢が叶い、オファーがきた時は嬉しくて飛び跳ねました」(岩谷)
5月22日の広島VS阪神(マツダスタジアム)には元カープ投手を父に持つ、塚本恋乃葉(19)が登場。
「小学生の頃から観戦していたマツダスタジアムでの始球式はとても光栄でした。当日は九里亜蓮投手にブルペンで『キャッチャーの顔のあたりをめがけて投げよう』とアドバイスしていただいて。マウンドに立つと球場のスクリーンで父(元広島東洋カープの塚本善之投手)が紹介されて、それがまたプレッシャーに(笑)。でも、父が現役時代に使っていたグローブでマウンドに上がったことは感慨深かったです」(塚本)
8月3日の西武VS楽天(ベルーナドーム)に登場したのは歌手のhitomi(48)。
「当日、元メジャーリーガーで西武ライオンズでも活躍したオレステス・デストラーデさんに球場でお会いしました。亡くなった私の父が野球ファンで、父の世代にとってはレジェンド。陽気な方でピッチング指導もしていただきました」(hitomi)
始球式の投球は空振りするという慣例
日本最古の「始球式」は1908年、戸塚球場で行なわれたアメリカの大リーグ選抜チームと早稲田大学野球部との対戦での早大総長・大隈重信による一球だった。打席に入った早稲田の一番打者は、総長に敬意を払い、大隈の大暴投をとっさに空振りしてストライクに。以降、始球式の投球は空振りするという慣例が定着したという。
1990年代に入ってからはアイドルによる登板が急増。きっかけは1992年の巨人─阪神戦に宮沢りえが起用されたこと。大人気アイドルの登場は大きな話題となった。巨人は翌年から中山美穂、西田ひかるらを起用し、以降は他球団へもこの風潮は波及。アイドルによる始球式が定着していった。今では、俳優、女性アナ、アスリートから政治家まで「時代を彩る旬な女性」へと広がる。
ゲストの投球自体も注目されるように。彼女らは自主練習を重ね、ノーバウンドを達成する女性ゲストも珍しくない。
優勝争いの行方とともに、彼女たちの活躍にも注目だ。
取材・文/上田千春、城川佳子
※週刊ポスト2024年10月4日号
09/27 07:15
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