大谷翔平に関して暴力団組長が最も驚いたのは、記録や賭博騒動ではなく「人生でやった一番悪いことは?」に悩んだこと「俺なら“人生でやった一番いいこと”に悩む」

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(Sipa USA/時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、MLBドジャースの大谷翔平選手に、組長が「こんな人間がいるのか」と驚かされたことについて。

【写真】フィールドに落ちているゴミを拾う大谷翔平!他、ハワイの25億円別荘地を視察する白Tシャツ姿の大谷ほか

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「こんな人間がいるんだなと驚いた」と、関東を中心に活動している暴力団の現役組長は肩をすくめて首を軽く横にふった。こんな人間とは誰のことかと思えば、ドジャースの大谷選手だった。

 組長でなくとも、大谷選手には驚かされるばかりだ。元専属通訳の水原一平容疑者による違法賭博の詐欺事件で24憶5000万円という被害にあうも、本人はその口座に開設以来アクセスしたことがなく、球団から振り込まれた給与が積み重なっていたという。それだけで驚きだが、このタイミングで米国ハワイ島の高級リゾートに被害額を超える約26億円超の不動産を取得していたことが明らかになった。

 だがヤクザの組長は驚くところが一般人とは違っていた。金銭的なことには関心がないらしい。「自分の物差しで測れない人間がいるってことを知らない人が多いからな」と素っ気ない。だがこれは違った。身を乗り出すように話し始めたのは、2019年にRED Chairに大谷選手が出演した時の映像を見たからだ。

 RED ChairとはYahoo!ニュースオリジナルの不定期連載企画で、その名の通り、出演者が広い部屋に置かれた赤い椅子に座ることから始まるインタビューだ。インタビューを受けるのは「常識に縛られずに挑戦してきた者だけ」で赤い椅子に座ると本当のことしか話せないルールだという。大谷選手以外にも、これまでに数々の著名人、有名人が赤い椅子に座りインタビューを受けている。

 組長が見たYouTubeの映像は、アメリカのファンが英語字幕をつけてSNSで拡散した切り抜きのひとつだったようで、大谷選手のインタビューは5分ほどと短いものだが、ある質問に対する大谷選手の答えが組長を仰天させた。「今までの人生でした一番悪いことは」というシンプルな質問だ。普通なら1つや2つ、何かしら思い浮かぶだろう。だが問われた大谷は、う~んと考え込み「一番悪いこと?」、「難しいな」とつぶやきながら首を捻ったのだ。

「悪いことは?と聞かれて悩むんだよ、大谷は。信じられるか? 俺たちなんて悪いことしかしてこなかったから、そんなもの考えなくてもいくらでも出てくるぞ」と組長。この質問に大谷選手は考え込んだ後、「悪いことはしてないと信じたい」と答えている。

俺なら逆に「人生でやった一番いいこと」に考え込む

 映像ではインタビュアーが再び「悪いことは難しいですか?」と問うが、大谷選手は「難しいですね」と苦笑いしていたという。「自分の悪いことと思うことでも」と問い直すと、それならと出てきた答えが「甘い物を食べた時とか、脂っこいものを食べた時とか」だったそうだ。

「今まで生きてきた中で一番悪いことが、甘い物を食べたって何なんだ。悪いことが1つも思い浮かばない、そんな人間いるか。俺なら逆に、今までの人生でやった一番いいことは?と聞かれたら、う~んと考え込むけどな」と組長。「こういう人間だから、周りもそう見るんだよな」と例を出したのはあるテレビ番組で見たシーンだ。

「先日、昼間テレビを見ていたら、落語家の立川なんとかが、大谷のことの『大谷翔平は人の道に外れるようなことは絶対にしないはず』と言ったんだ。絶対だぜ、絶対。大谷と友人ではないだろうに、番組の中でそこまで言い切るヤツがいるなんて。驚かないか。コメンテーターたちは誰も反論もしないから、きっと同じように思っているんだよな」(組長)

 昼間のテレビとは情報番組の『ひるおび』(TBS系)、その日はコメンテーターに落語家の立川志らくが出演していたようだ。水原容疑者の疑惑が浮上した時、大谷選手の関与を疑ったらしく、それについて頭を下げて謝罪。その後にこのコメントにつながったらしい。「他人にテレビでそう言わせちゃう人間なんだよな、大谷は。球場を歩いていてゴミを拾っちゃうような人間だから、悪いことと聞かれて何も出てこない。悪いことはしない。だから水原が借金の肩代わりを頼んでも、きっぱり拒否できる。世の中にはいるんだよねぇ、こういう人間が」。

 金額の物差しに目盛りはないが、善悪の物差しはかなり短い。ヤクザの物差しとはそういうものかもしれない。

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