人生初フルオーダーグラブに想像を超える喜びと感動 瑠香記者目標の始球式へ意欲 YouTube連動企画

フルオーダーグラブでキャッチボールを行う瑠香記者(カメラ・菅原 美沙)

 スポーツ報知の森脇瑠香記者が、紙面とYouTubeの連動企画で、フルオーダーグラブを作ってみた! プロ野球の始球式“登板”を目指す企画「始球式への道」で、投球練習を重ねてきた瑠香記者。夢の舞台で使用する予定の「D×M」(ディー・バイ・エム)製のマイグラブが完成した。

 できあがった“相棒”を目にすると、一瞬で心を奪われた。「うわぁ~! やばぁ~」。箱からキラキラ輝くグラブを取り出すと、大声で叫んでいた。人生初のフルオーダーグラブは、私の想像を超える喜びと感動をもたらしてくれた。

 「NPBの始球式で投げたい」という願望から始まった企画。女子野球に打ち込んだ学生時代から10年間使い込んだグラブもいいけど、やっぱり新しいグラブで投げたいと、グラブ職人の宮下大輔さん(37)にお願いした。全体の色、ヒモの色、グラブの大きさ、形、重さ、刺しゅうの文字など約15項目を自分で決め、この世に一つしかない「瑠香グラブ」をオーダーした。

 3か月で完成。大好きな深緑色をベースに、巨人のオレンジ色、秋っぽく茶色などをあしらった理想のグラブだ。抑止力になればと、お願いしておいた「暴飲暴食」の刺しゅうもしっかりと縫い込まれていた。宮下さんは「刺しゅう屋さんも初めて“暴飲暴食”を入れたみたいで、楽しんでました」と優しい言葉をかけて下さったが、大変だったはず。ありがとうございます。

 できたてホヤホヤのグラブでキャッチボールも体験。ファーストキャッチは「パチン!」と高い音が鳴った。少し革が硬いため、グラブの中ではじく感じがあったが、それにもまた、幸せを感じた。これを「自分のもの」にしていく過程を想像し、終始ニヤニヤが止まらない。グラブを見つめていると、あっという間に時間が過ぎていた。

 感謝と同時に驚きもあった。いつも何げなく使っていたグラブ。革を裁断する一番始めの作業から初めて見せてもらった。細かなステッチも全て手作業。作りあげるまでにどれだけの革と糸を使用しているかも知らず使っていたのかと思うと、少し恥ずかしくなった。このオーダーグラブは今まで以上に大切に扱おうと心に決めた。

 私の思い描いた通りのグラブを作ってくれた「D×M」さん。夢をかなえるための大きなピースになっていただき、本当に感謝しかない。NPBの始球式でこのグラブを高く突き上げ、投球する姿を早く見せたい! NPB、12球団の関係者の皆さん、オファーお待ちしています!(森脇 瑠香)

 ◆宮下 大輔(みやした・だいすけ)1987年11月17日、山梨・富士吉田市出身。37歳。小学1年から野球を始め、軟式野球部所属の中学2年時、テレビの特集を見て、グラブ職人を目指す。山梨学院大付(現山梨学院)卒業後、会社員として働きながら2013年、自身の名前の頭文字をとった「D×M」を立ちあげる。17年に独立し、三重・四日市市を拠点に活動中。家族は夫人と1男1女。

 ◆D×M(ディー・バイ・エム) 日本の硬式オーダーグラブ専門メーカー。グラブ修理にも対応。プロ野球では日本ハム・新庄剛志監督が、アップルウォッチを装着した同社グラブを使用し話題に。阪神のヨハン・ミエセス外野手は、マグロやいくらなどスシネタの絵が印刷されたピンク色のグラブをオーダーした。

 ◆「始球式への道」 「NPBの始球式で投げたい」という瑠香記者の野望をかなえるために始まった企画。今年1月には中日・大野雄大投手(36)に投球指導を受け、2月にはドジャース山本由伸投手(26)が使用しているトレーニング用品「フレーチャ」を使ってフォームを確認。4月にはボーイズリーグの開会式で初めて始球式を務めた。25年シーズンのNPB始球式を目指し、7月にフルオーダーグラブを注文した。

 ◆森脇 瑠香(もりわき・るか)1997年10月15日、和歌山県生まれ。27歳。中学から硬式野球を始め、京都外大西高では女子硬式野球部1期生として、全日本選手権で優勝。和歌山大では男子に交じり準硬式野球部でプレー。20年に報知新聞へ入社し、21年からプロ野球担当。23年にYouTubeデビュー。24年からサッカーなど一般スポーツ担当。ポジションは二塁や右翼。右投左打。

 この記事の動画は、YouTube「森脇瑠香のやってみるかチャンネル」でご覧いただけます。

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