楽天・田中将大はピークアウト来年37歳 新天地探しは“いばらの道”

田中将大

 楽天・田中将大投手(36)が24日、今季限りでの退団を電撃表明した。球団が30日にNPBに提出する保留選手名簿に記載しない旨を発表したことを受けて、自身のYouTubeチャンネルを更新。「来季の契約を結ばずに新たなチームを探すことに決めました」と明言した。今季の年俸2億6000万円からの大幅な減俸提示に同意せず、自由契約の道を選択。日米通算197勝のベテランが、他球団移籍を目指すことになった。

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 田中将が申し出た自由契約は“不退転の決意”の表れだろう。球団は再契約の可能性は「ある」との姿勢を示したが、右腕は「新たなチームを探す」と覚悟を口にした。楽天に戻る選択はない―との揺るぎない信念にも見えた。

 昨年受けた右肘手術の影響は大きく、今季唯一の登板となった9月28日のオリックス戦(楽天モバイル)では5回6安打4失点と打ち込まれた。以前のような150キロを超える球威は見られず、変化球中心に相手打者をかわしながらの投球が続いた。パフォーマンスの低下は誰が見ても明らかだった。

 右腕自身は日米通算200勝への思いは捨てておらず、今後はメジャーを含めた他球団への移籍を模索することになる。ある球団編成幹部は「メジャーはあの球では厳しい」と率直な感想を語るなど、ピークアウトを迎え、来年11月には37歳になるベテランの獲得には他球団の編成も慎重にならざるを得ないはずだ。

 「来季は今年投げられなかった分、さらにしっかりと投げて戦っていきたい」と復活に自信を見せ、キャリア19年目を思い描いたが、新天地探しは“いばらの道”になる。(21~23年楽天担当・長井 毅)

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