【侍ジャパン】井上温大、逆転被弾も「心が救われる」味方打線が逆転 大谷超え&松坂に並ぶ同一大会3勝目

6回から2番手で登板した井上(カメラ・渡辺 了文)

◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 スーパーラウンド 日本9―6ベネズエラ(22日・東京ドーム)

 ベンチでうなだれていた井上は、牧の満塁アーチを見届け、拍手を送った。「本当に心が救われるくらいの一本。感謝したいです」。3―2の6回に2番手で登板したが、CE・ペレスにスライダーを左翼席へ運ばれ逆転2ランを浴びた。さらに四球と連打で1点を失い1回3失点も、ベンチで「切り替えろ!」と声をかけてくれた牧の満塁弾で勝利が舞い込んだ。23年WBCの大谷、巨人では06年WBC上原の2勝を超え、06年、09年WBCの松坂に並ぶ今大会3勝目となった。

 日本を背負う重みを感じた。母・友理子さんが「小さい頃、ジャパンのユニホームを着たいと言っていた」と明かすも、代表に選出されると「僕でいいのかな」と不安が募った。ただ試合前、整列して君が代を聴くと背筋が伸びた。「あの時に日本代表として戦っているんだ、僕は日本代表なんだ!って思った」。最速151キロを記録しながら無念の3失点も、芽生えた代表としての覚悟を胸に腕を振った。

 初の国際大会で開幕投手を務め、ここまで3戦3勝。「前の先発の投手の勝ちを消しているので…。ゼロでつなげられるような投球をしないといけない」。舞い込んだ勝利に感謝しながら、また一つ強くなる。(水上 智恵)

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