【神宮大会】天理大の2年生右腕・的場吏玖が7回1失点で4強1番乗り導く 春秋連続の神宮4強に三幣寛志監督「本当に光栄」

試合に勝利しタッチを交わす天理大ナイン(カメラ・岡野 将大)

◆第55回記念明治神宮野球大会第2日 ▽大学の部準々決勝 天理大2-1札幌大(21日・神宮)

 大学の部は、天理大(関西5連盟第1)が札幌大(北海道2連盟)との接戦を制し、出場3度目で初勝利を挙げて4強入りした。2年生右腕の的場吏玖が、7回1失点と好投。環太平洋大(中国・四国)は8強入りした。高校の部は、最速151キロ右腕の横浜(関東)・織田翔希投手が、明徳義塾(四国)を2安打に抑え、1年生では大会16年ぶり6人目の完封。堂々の全国デビューを飾り4強へ、けん引。敦賀気比(北信越)も準決勝に駒を進めた。

 的場が天理大を秋の神宮初白星、4強1番乗りへと導いた。初回無死満塁から1点を失うなど、立ち上がりに苦しむも徐々に修正。7回6安打1失点、8奪三振。自身も全国の舞台で初勝利を挙げた。「変化球でカウントを取って、ストレートを見せ球にして、変化球で勝負ってところが、できた」と胸を張った。

 大阪電通大高3年時の22年春、大阪府大会でセンバツ王者・大阪桐蔭相手に敗れはしたが、8回3失点と好投し、注目を集めた。今春は、2年生ながらリーグ戦5勝をマークし、最優秀選手賞を受賞。しかし、天理大が創部初の4強入りを果たした大学選手権では、肘の故障でベンチ外だった。

 迎えた今秋。阪神大学連盟新記録のリーグ8連覇を達成し、代表決定戦も勝ち抜いて3度目の神宮にこぎつけたが、今度はエースの長野健大(4年)が右肩を故障してベンチを外れた。「悔しいと思う。自分がカバーできたら」と的場。投手陣でも話し合い、長野の背番号18のユニホームをベンチに掲げ、ともに戦った。

 春秋連続の神宮4強入りに「本当に光栄」と三幣寛志監督(44)。今春に完敗した青学大と再戦する可能性もある準決勝へ、的場は「甘い球は打たれると思うので修正して、しっかり抑えたい」と気を引き締めた。(瀬川 楓花)

 ◆的場 吏玖(まとば・りく)2004年11月23日、大阪・寝屋川市生まれ。19歳。池田小2年時から寝屋川スカイヤーズで野球を始め、外野手。寝屋川二中では軟式のジュニアセブンに所属し内野手、2年時から投手。大阪電通大高では1年夏からエースを務め、2年春は背番号18、夏は同11。同秋から再び同1。甲子園出場なし。最速148キロ。186センチ、71キロ。右投右打。

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