普段の戸郷ではなかった…高橋由伸氏、4回2失点も「全く問題ない」と解説する理由

4回、無失点に抑え紅林(右)とタッチをする戸郷(カメラ・中島 傑)

◆ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12 1次リーグB組 ドミニカ共和国3―11日本(18日・天母)

 雨が降って風も吹き、さぞかし投げづらい環境だったと思う。見るからに、普段の戸郷ではなかった。足場が悪いから下半身をうまく使えず、腕を振り切れないから球にキレが出ない。特にフォークは落差があっても相手に拾われ、失点につながった。

 では、次回登板が不安になるかと聞かれれば「全く問題ない」。2回までは直球とフォークのほぼ2種類の配球も、3回からはスライダーでカウントを稼いだ。環境に合わせて柔軟な組み立てができるのも戸郷の良さ。4回5安打2失点も、6個の三振を奪えた点は上々だ。

 5回から救援した井上は、変わらず素晴らしい。パワーに秀でるドミニカ共和国の打者相手でも、直球で押し込めた点は自信になっただろう。スーパーRでは同じタイプの米国やベネズエラと対戦するが、フォークも精度がいいから武器になる。悪天候のせいで戸郷と同じく抜ける場面もあったが、調子は良さそうだ。次は慣れ親しんだ東京ドームだし、いい調整ができたと割り切っていい。

 この試合のように、次戦は先発・戸郷に井上が第2先発として待機すると思う。間違いなく大事な一戦になるだろうし、もっと飛躍できるチャンス。特に井上は、経験すればするほど成長しそうで楽しみだ。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)

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