【オリックス】久保拓真打撃投手が現役復帰挑戦「オリックスの野球、選手が本当に楽しそうに映った」通算60試合登板左腕

高知キャンプ最後日に打撃投手を務めるオリックス・久保打撃投手

 オリックスの久保拓真打撃投手(28)が現役復帰を目指すことが18日、分かった。昨年までヤクルトで主にリリーフとして通算60試合に登板した左腕。この日打ち上げた高知での秋季キャンプを最後に退団し、球団側も本人の夢を後押しすることになった。

 「オリックスの野球、選手が本当に楽しそうに映ったのが第一。もう一回、野球がしたいと思った」。昨季限りで現役を引退し、アシスタントスタッフの肩書きで入団。丁寧な投球で野手のために力を尽くすなかで、投手としての情熱が再燃した。今キャンプでも仕事を終えると、居残りで本格的な練習を継続。久保管理部長も「チームのために本当に頑張ってくれた。球団としても彼の夢や目標を応援したい」と説明した。

 在籍は1年だったが、オリックスから受けた刺激を力に変えるつもりだ。「甘い世界じゃないことは分かっている。やるからにはプロ(NPB)のマウンドを目指して、全力で頑張りたい」。まだ28歳と若く、肩や肘の状態も万全。新たな所属先を求め、本気の挑戦を始める。

 ◆チームスタッフを経て現役復帰した選手

 ▽西清孝 南海を経て入団した広島で93年に戦力外。94年に投手兼打撃投手で横浜に入団したが、1年間は実質的に打撃投手のみで、95年に現役復帰した。97年に自己最多の58試合に登板し、プロ初勝利を含む2勝を挙げた。

 ▽栗山聡 オリックスから移籍した中日で03年に引退。04年にアシスタントスタッフ(打撃投手)としてオリックスに戻るが、層の薄い中継ぎ投手補充のため5月に支配下登録され、自己最多の28試合に登板した。

 ▽桜井俊貴 15年の巨人ドラフト1位。通算13勝を挙げて22年限りで引退し、23年は巨人のスカウトを務める。「スカウトとして野球に接していくうちに『まだ投げられる、また投げたい』という気持ちが湧いた」と復帰を決意。社会人野球のミキハウスに加入し、今季は都市対抗と日本選手権出場に貢献した。

 ◆久保 拓真(くぼ・たくま)1996年7月27日、佐賀県生まれ。28歳。自由ケ丘高から九州共立大を経て18年のドラフト7位でヤクルト入団。22年に自己最多の29試合に登板し、日本シリーズのマウンドにも上がった。昨季限りで引退し、今季はアシスタントスタッフとしてオリックスに在籍。通算成績は60試合で1勝1敗9ホールド、防御率4・31。175センチ、75キロ。左投左打。

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