【高校野球】夏の甲子園「2部制」で救護室受診者数半減 代表38校が効果実感「来年以降も検討続ける」

甲子園球場

 日本高野連は15日、大阪市内で第106回全国高校野球選手権大会の運営委員会を行い、実施した「2部制」などの暑さ・健康対策の概要や代表校アンケートの結果について報告を行った。

 大会第1日から第3日の試合数を1日3試合とし、朝と夕に分けて行う「2部制」を導入した今夏の甲子園。最も効果が表れたのは、観客などの救護室受診状況となった。今大会の受診者数は479人(約6割が熱中症・日射病疑い)。105回(486人)とほぼ同水準だった。ただ、日別受診者数をみると、第1日23人(105回48人)、第2日12人(同22人)、第3日18人(同39人)、3日間累計53人(同109人)。第2、3日の試合数は異なるものの、3日間の受診者数は前年に比べ半減した。

 選手の熱中症疑いは、2部制の間の発生は8件で1日平均は2・7件、第4日以降の発生は50件で1日平均4・5件。試合数が違うため、一概に効果があったとは言えないとした。ただ、第4日~決勝に発生した50件の内訳が、第1試合=11件、第2試合=15件、第3試合=19件、第4試合=5件だったことから、志方浩文・朝日新聞社高校野球総合センター長は「第3試合に休みを取ることに価値が出るエビデンスの一つかなと思っている」と話した。

 また、代表49校に暑さ・健康対策に関するアンケート調査を実施。2部制による熱中症対策は「とても効果がある」が7(15%)、「効果がある」31(63%)、「あまり効果がない」5(10%)、「効果がない」0、「その他」6(12%)と、多くの学校が効果を実感していた。一方で、最終試合の終了時刻の遅さから、コンディション維持の難しさや、応援団の宿泊負担・帰宅時間の遅さなどの懸念点も上がった。

 来年以降の実施方法については、現状では未定としたが、井本事務局長は「来年以降、どういう形が良いかというのは検討を続けていきます」と話した。

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