【大学野球】東大の最速135キロ右腕、“出身校”が「高等学校卒業程度認定試験」とアナウンスされた理由
◆東京六大学秋季フレッシュトーナメント▽第2日 法大7―0東大(13日・神宮)
東京六大学野球の場内アナウンスでは出身校が紹介される。9回から東大の5番手で登板した最速135キロ右腕・垣田聖弥投手(2年)の名がコールされると、場内がざわついた。
「ピッチャー、垣田君。高等学校卒業程度認定試験」
アナウンス担当泣かせの経歴には垣田も「かんでましたね…」と笑顔。強豪校出身者が並ぶ法大打線を相手に、133キロのストレートでバットを折り、1イニングを2安打1失点のマウンド。神宮デビューの15球を「あっという間でした」と振り返った。
民放テレビ局の報道記者を務める父の都合で、小学生時代を中国で過ごした。中学、高校は私学の名門校・暁星で学び、軟式野球部では外野手だった。「フランス語圏に行ってみたい」と高2の終わり、フランスの大学へ進学することを志した。
高校では成績も上位だったが、「自分的に退路を断つみたいな感じで」中退した。しかし、「コロナで受け入れ態勢が整わなくて。断られて」。高等学校卒業程度認定試験を受験。東大に見事現役合格を果たし、野球部の門を叩いた。
仏検2級を有し、将来の夢は「法律家を目指していて。検察官か弁護士か」。だが今は来春のリーグ戦登板に照準を絞る。「課題はランナーケア。あとはバント処理とかフィールディングの技術もまだ自分には足りないと思っているので、そこを頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。
好きな投手はレジェンド・金田正一。「だから背番号を34番にしたんです。金田さんが亡くなった時に400勝投手って言われてたんで、どういう球を投げるのかなってYouTubeで見たら、ものすごく切れのいい球を投げていて。そこから好きになりました」。カネやんも仰天の「やったるで」な垣田の20年。リーグ戦で「高等学校卒業程度認定試験」というアナウンスが聞ける日も、決して遠くはなさそうだ。(加藤 弘士)
11/13 13:55
スポーツ報知