【侍ジャパン】巨人・井上温大「インコースを有効に使う」豪州初MLBドラフト全体1位 大学で60戦28発のバザナを警戒

チームの個別練習を終えて笑顔で引き揚げる井上(カメラ・渡辺 了文)

 「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」を控える侍ジャパンの一部選手による練習が11日、バンテリンDで行われた。同球場で13日に行われる1次リーグ(L)初戦のオーストラリア戦で開幕投手を務める巨人・井上温大投手(23)はMLBドラフト全体1位のバザナ(ガーディアンズ傘下)斬りでチームを勝利に導くことを誓った。マウンドで投球練習を行った左腕について吉見投手コーチは、後続の先輩投手たちにもプレッシャーを与える快投を期待した。

 2日後の相手打線を想定しながら、井上が力強い球を投げ込んだ。初戦の舞台・バンテリンDで井端監督にも見守られながら投球練習を行い、直球にスライダーなどを交え37球。オーストラリアとの開幕戦で先陣を切る左腕は「コンディション、バッチリです」と言い切り、警戒する打者の名前を挙げた。

 「バザナ選手。実績がありますし、メジャーリーグからもすごい高評価をされていると聞くので、警戒しています。スイングもすごく鋭いですし、選球眼もいいと思うので、すごく手ごわい打者だと思います」

 バザナは、7月のMLBドラフトでオーストラリア出身初の全体1位指名をガーディアンズから受けた左打ちの二塁手。米・オレゴン州立大では今年60戦で打率4割7厘、28本塁打の成績を残した。「強打者なので、広く攻めていかないと踏み込まれてしまうので、インコースを有効に使っていきたい」。既に映像でも研究しており、バザナを含めた打線全体を抑え込むイメージを膨らませた。

 チームで高橋宏に次ぐ年少の1球から幕を開けるプレミア12。吉見投手コーチは「自信を持って送り出せる。先輩方にプレッシャーを与えられるような投球を期待しています。インコースを平気で投げ込める度胸は素晴らしい」と信頼を寄せた。

 迫り来る本大会。指揮官は逆転勝ちだった19年の前回大会1次L初戦などを挙げ「最小点に抑えていけば、そういうこと(逆転など)が起きるのかなと思う。トータルしたら、しっかり抑えていたことが日本の一番の強みかな」と言う。「初戦を任されているのはすごく責任も感じる。意気に感じて思い切り投げていければ」と井上。臆することなく腕を振り、日本を波に乗せる。(田中 哲)

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