清宮、辰己に小園…プレミア12の主役は公式戦で「やりきっていない男たち」 高木豊氏が挙げるキーマン

8回1死二塁、辰己涼介が適時二塁打を放つ(カメラ・渡辺 了文)

◆ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 チェコ0―9日本(10日・バンテリンドーム)

 プレミア12では、井端監督らベンチの「眼力」が重要になる。直前で辞退者が出て、初代表の選手も多い。野手なら、好不調だけでなく、初見の投手に対応できるか、あるいはデータがある程度必要なのか、といった見極めが求められる。

 若い侍たちに、いい先例がある。巨人・阿部監督の現役時代、07年北京五輪予選のことだ。3試合で13打数10安打、7割6分9厘の高打率を残したが、内訳は単打8本に二塁打2本。「よく知らない投手との対戦は不安」と、一発を捨て、球を引きつけて中堅から左翼方向への打撃を徹底した。ぜひ参考にしてもらいたい。

 日本シリーズに出た2チームの選手は、自覚はなくとも、疲労や「やりきった感」を抱えているだろう。小園、清宮、源田、辰己といった公式戦やポストシーズンで「やりきっていない」男たちが、主役になる番だ。

 投手陣は、まずは相手をナメないこと。9日に高橋宏が初っぱなに打たれたのは、教訓としてよかった。この日は若手投手たちが一生懸命に投げていて、それが奪三振ショーにつながったね。

 井端監督は長いスパンでチームを組み立てられる指導者だと思う。結果はどうあれ、成果は必ずもたらしてくれるはず。26年のWBCにつながる実りある大会にしてもらいたい。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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