【侍ジャパン】「どの打順も」阪神・森下の侍4番初打席弾はメジャーリーガー以来 初試合弾は三冠王も
◆ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 チェコ0―9日本(10日・バンテリンドーム)
「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024」の第2戦が10日、バンテリンDで行われ、日本がチェコに2連勝を飾った。阪神・森下翔太外野手(24)が4番初打席となった初回に先制2ラン。終盤に猛攻で突き放した。投手陣では巨人・戸郷翔征投手(24)が2番手で2回を無失点に抑えるなど、計7投手で17奪三振の完封リレーと順調な調整を見せた。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」は9日(日本時間10日)、メキシコで1次リーグA組が開幕。侍ジャパンは13日に初戦を迎え、バンテリンDでオーストラリアと対戦する。
初めて侍ジャパンの4番に座った阪神・森下が豪快な一撃で主役をアピールした。井端監督の期待に“一発快答”。初回2死一塁で1ストライクから2球目のカーブを捉えた。低めの111キロを引きつけ、左翼席へ先制2ラン。「どの打順を任されても、準備はできていた。4番は光栄だし、気持ちも上がる。でも気負わず、いつも通りに」と主砲の雰囲気を漂わせた。
9日は6番で適時打を含む2安打。この日はDeNA・牧と打順が入れ替わった。注目される4番の座。巨人・岡本和が左第五腰椎分離症で出場を辞退したことで、指揮官は牧を筆頭に森下や日本ハム・清宮も候補として「見極め」を予告していた。「この2試合のどちらかで森下選手を入れたいと思っていた」とテストしたが、背番号1が争いから一歩前に出た。連夜のマルチ安打。5日の広島との練習試合(SOKKEEN)から計11打数5安打3打点と存在感が際立った。
「どこを任されても変わらない。4番でチャンスが多いのなら、チャンスで打つだけ」。代表初選出だった昨年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップでも、初戦の台湾戦の決勝弾など11打数5安打。勝負強さは健在だ。侍の“4番デビュー戦”でのアーチは、22年11月にヤクルト・村上が日本ハムとの強化試合で放って以来。初打席では、19年3月のメキシコとの強化試合のオリックス・吉田正以来となった。阪神でも8月13日の巨人戦(東京D)でプロ初の4番を務め、初打席で先制2ラン。見事な再現で本番に弾みをつけた。
「どの打順でも、前も後ろも安心できる打者ばかり。ノビノビ打たせてもらえます」。宮崎で絆を深めた仲間への信頼も原動力だ。合宿中に中大で2学年先輩の牧が日本一を決めると「(祝福は)別に」とニヤリ。「日本一は僕らに関係ないので、世界一になることだけ考えて来てもらわないと」。辛口の歓迎も仲の良さの表れ。すっかり日の丸が板についた24歳はファンの前で「世界一しか見えていない。突っ走っていきたい」と宣言し、臨戦態勢を整えた。(安藤 理)
◆高木豊Point
「4番・森下」はいいと思うね。ホームランを打った外角低めのカーブは簡単な球ではなかったが、彼は変化球を打つのがうまい。日本の4番に真っ向勝負してくる投手もあまりいないと考えると、うってつけの存在。なんといっても、けれん味なく振れるというのが長所だし、4番に求められる資質のひとつ。性格的にも小さなことを気にしないタイプで、台湾で環境が変わっても苦にしないだろう。彼も「やりきっていない」男の一人。力が余っているよ。(スポーツ報知評論家・高木 豊)
◆記録メモ
▼4番初打席本塁打 森下(神)が侍ジャパンで初めて先発4番打者に座り初回、先制2ラン。日本代表の4番初試合、初打席に本塁打は、19年メキシコとの強化試合〈2〉戦目に初回、初打席で満塁本塁打した吉田正尚(オ)以来。他に18年日米野球〈2〉戦で柳田悠岐(ソ、2打席目)、22年日本ハムとの強化試合で村上宗隆(ヤ、3打席目)らが、4番初試合で本塁打した例がある。
11/11 05:00
スポーツ報知