【侍ジャパン】プレミア12開幕投手の巨人左腕 練習試合3回完全5K「良いので掛ける言葉もない」井端監督大満足
◆練習試合 侍ジャパン5―0広島(5日・SOKKEN)=7回制、特別ルール=
「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(9~24日)に出場する侍ジャパンが5日、広島と練習試合(SOKKEN)を行った。先発した巨人・井上温大投手(23)は日本代表としての初実戦で3回完全投球、4者連続を含む5奪三振と“圧巻デビュー”を飾った。侍の大会開幕投手として先発する13日のオーストラリア戦(バンテリンD)へ向け、強烈な予行演習を終えた左腕。衝撃の国際大会デビューの予感を漂わせた。
照りつける太陽の下、井上がひときわ輝いた。4者連続三振で締めると、注がれる拍手を浴びながらベンチへ走って戻った。侍ジャパンのユニホームを身にまとっての初マウンドは、3回完全投球で5奪三振。「自分の持っている球種を全部投げて、それがある程度コントロールできていた。三振も何個か取れていたので、自分の中ではすごくいい調整ができたなと思います」。申し分ない初の日本代表での実戦となった。
登板前は「緊張していた」と言うが、「グラウンドに入ったら集中して切り替えられた」と普段通りの投球を貫いた。2回2死では末包を内角148キロ直球で見逃し三振に封じると3回はスライダー、フォーク、直球で3者連続空振り三振。大会へ「ピンチでも三振を取って、犠飛や内野ゴロを打たれないように投球もできるようになるのかなと」と見据えた。
使い始めた頃はシュート回転していたという大会使用球も「いつもよりロージンを多くつけたり、もんだりしました」と徐々に慣れ、無走者時に採用される20秒のピッチクロックも無関係なほどの好テンポ。井端監督も「良いので、掛ける言葉もない。特に3イニング目の球は言うことないなと思います。本番でも今日のような投球をしてもらえれば」と目尻を下げた。
開幕投手として先発する13日のオーストラリア戦(バンテリンD)へ向けて大きな弾みとなる37球。巨人の阿部監督からは前日4日に「ベースカバーにちゃんと行けと。一番の心配はそこだから。そこだけだよ、本当」などと愛のあるエールを送られており、その記事を目にした左腕も「ベースカバーにちゃんと行こうと思います」と柔和な笑みで呼応した。
今季8勝と飛躍を遂げて追加招集された23歳。「今年の最初だったら考えられないくらいの経験をさせてもらっている」と喜びと感謝を胸に、中7日で本番を迎える。「いい調子でこの試合を終えられたので、時間を有意義に使って、最高の投球をできるように。右打者の内角の直球と左打者の内角のツーシームが高めにふけたり逆球に行く場面があったので、ミットよりも打者側に外れるような球を投げられれば」。万全の調整を施し、名古屋のマウンドに立つ。(田中 哲)
11/06 05:00
スポーツ報知