大谷翔平が同点で8回の大チャンスでまさかの打撃妨害で出塁

◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース―ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、3勝1敗で王手をかけて迎えたワールドシリーズ第5戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、同点の8回1死一、三塁の5打席目は守護神・ウィーバーと対戦し、打撃妨害で出塁した。

 ヤンキースの先発は、ゲリット・コール投手(34)。昨年サイ・ヤング賞に輝いた球界屈指の好投手だった。7回途中1失点だった第1戦で対戦した際には、中飛、空振り三振、遊ゴロで3打数無安打。22年に本塁打を打ったが、レギュラーシーズンでの対戦成績は20打数4安打の打率2割に抑え込まれていた。

 2009年ワールドシリーズMVPに輝いた元ヤンキースの松井秀喜氏(50)が始球式を行って迎えた初回先頭の1打席目は、初球の直球をはじき返したが中飛。1回裏にはジャッジのワールドシリーズ初本塁打となる2ラン、チザムのソロと、先発・フラーティが2者連続被弾で3点の先取点を献上し、5試合目にして初めて先取点を奪われた。

 2回にも1点を奪われてフラーティは2回途中4失点でKO。4点を追う3回2死一塁の2打席目は2球で追い込まれ、捉え切れない左飛に倒れた。3回裏にはスタントンのソロも出た。5点を追う5回の3打席目は満塁で迎えたが空振り三振。それでもドジャースは相手の守備の度重なるミスにつけ込んでフリーマンの2点適時打、T・ヘルナンデスの2点適時二塁打などで一気に5点を奪って追いついた。それでも6回にはスタントンの中犠飛で再びリードを許した。1点を追う7回先頭の4打席目も遊ゴロとコールからは安打を放つことができなかった。8回には無死満塁でラックスの中犠飛で追いついた。

 大谷は26日(同27日)の本拠地での第2戦で、盗塁を試みてスライディングした際に左肩を亜脱臼。第3戦以降の出場が危ぶまれたが、テーピングを施し、ベンチでも患部を温めるなど必死の処置をして28、29日(同29、30日)の第3、4戦にも強行出場した。第3戦では先制のホームを踏むなど2四死球で出塁し、第4戦では3試合13打席ぶりの安打も放って、二塁へスライディングも見せた。それでも、スイングをして表情をゆがめる場面もあり、走塁中は左手でユニホームをつかんで左肩の負担を軽減するなど、痛々しい姿も見られた。この日も3打席目に空振りをした際に患部を気にするようなしぐさも見られた。

 第3戦の終了後には「痛みもだんだん引いてきているので、自分のスイングが戻ってきているのかなと思う」と前を向き、あと1勝となった頂点へ「試合の中では痛い、痛くないというのはあまり考えていない。痛くないという気持ちでやっています」と意気込みを口にしていた。第4戦では豪快なスイングも見られていた。

 ドジャースは、第4戦を終えて3勝1敗。第4戦では敗れたが、ワールドチャンピオンへ王手をかけている。大谷がメジャー7年目にして初めてたどり着いたポストシーズンの舞台。地区シリーズでパドレス、リーグ優勝決定シリーズでメッツを破り、ワールドシリーズでもヤンキース相手に第3戦まで3連勝し、頂点まではあと1勝に迫っている。

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