09年ワールドシリーズMVPの松井秀喜氏が始球式でノーバン投球 ヤンキースファンから大歓声

◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース―ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 試合前セレモニーで2009年ワールドシリーズMVPに輝いてチームを世界一に導いた松井秀喜氏(50)が、始球式を行った。ファンの拍手に迎えられ、ヤンキースの濃紺のジャンパーと黒いパンツ姿で登場した松井氏は、捕手役を務めた控え捕手トレビノのミットに、ノーバウンドでボールを投げ込むと、客席から沸き起こった大歓声に、手を振って応えた。

 球団のGM付き特別アドバイザーの役職を務める松井氏は、10月12日にニューヨーク郊外で行われた野球教室でメディア対応した際、日本の多くのメジャーファンが、ドジャース大谷翔平投手の世界一を待ち望んでいることを十分、理解した上で、「日本のファンの方に、怒られるかもしれないですけど、私は、ヤンキースを応援します」と古巣愛を語った。そして、ポストシーズンのヤンキースタジアムでの生観戦について問われると、「行くかもしれませんよ」と含みを持たせていた。

 2009年ワールドシリーズでの松井氏の活躍は、日本のファンも注目。日本でのワールドシリーズの認識を広めた。今年4月には大谷が、同氏が保持していた日本人メジャー通算本塁打記録を更新する176号を放ち、「やっぱり目標にしていた」と語った。松井氏は「僕は比較対象ではない」と謙遜するが、世代を代表する日本人選手が、15年の歳月を超え、同じ舞台にそろった格好だ。

 チームが負ければ終戦が決まる「エリミネーションゲーム」を制して駒を進めた第5戦。松井氏が始球式の大役を務め、熱戦が幕を開ける。

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