【阪神】活動場所での全面禁煙に全首脳陣集結の会食!球児監督流マネジメントでチームに新風

円陣に加わる藤川球児監督(右から3人目)(カメラ・谷口 健二)

 阪神が30日、甲子園での秋季練習を打ち上げた。藤川球児新監督(44)が率いる新体制が発足し、2年ぶりのリーグVを目指すチームに新風が吹く秋。“球児流マネジメント”による変化を阪神担当サブキャップの中野雄太記者が「見た」。

 夏のような強い日差しが降り注ぐグラウンドから若虎の、さらにコーチ陣の活気ある声が聞こえてくる。秋季練習最終日。一塁ベンチからノックを見守っていた藤川監督は「選手たちは僕の方を向いていない。これが一番いい形。シーズンも相手を見て戦ってほしいから」とつぶやいた。監督の目を気にせず一心に白球を追い、首脳陣が後押しする。新虎将が考える理想のチーム像がそこにあった。

 監督自身も精力的に動き回る。練習中は首脳陣に加えてトレーナー陣や他のスタッフとも会話を交わし、椎葉ら伸び悩む若手投手陣には自ら熱血指導する場面もあった。一方、練習前後のコーチ会議には「僕が入って何か言うとそれを通さなきゃいけなくなる」と主体性を阻害しないため入っていない。また「健康な要素を削られる」と11月1日からチーム活動時、活動場所での全面禁煙を決めた。

 29日の練習後には兵庫・西宮市内のステーキ店にて1、2軍のコーチングスタッフが一同に会し、球児プレゼンツの“決起集会”を開催。長く阪神の現場に携わる和田1、2軍打撃巡回コーディネーターも「今までにない」と言う異例の全首脳陣会食だ。選手を育てるため、チームを強くするために、熱く語り合ったことは想像に難くない。思いを共有し、一枚岩となって変革の風を吹かせ始めた。

 高知・安芸市で行う秋季キャンプの参加メンバーは2000年以降で最多の39選手。11月1~17日の期間中で休日は2日間しかなく、また例年以上に走り込みの量も増やす方針だ。「若い選手に求めたいのは、ひたむきさと素直さ。何人、使える選手が出てくるのか」。熱気に包まれたグラウンドでは常に首脳陣と選手が意思疎通を図っている。藤川流で進めるチームづくり。早くも来季の開幕が待ち遠しい。(中野 雄太)

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