強行出場の大谷翔平が7回の4打席目まで1安打 頂点まであと1勝のドジャースは追いかける展開で終盤へ

◆米大リーグ ワールドシリーズ第4戦 ヤンキース―ドジャース(29日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が29日(日本時間30日)、3勝0敗で王手をかけて迎えたワールドシリーズ第4戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、4―6で2点を追う7回1死二塁の4打席目は、4番手右腕・ライターと対戦し、フルカウントから空振り三振を喫した。

 ヤンキースの先発は、今季15勝の26歳右腕のL・ヒル。初回先頭の1打席目はフルカウントからスライダーを捉え切れずに遊飛。それでも1死二塁で、フリーマンが4戦連発となる2ランを右翼席に運んで先取点を奪った。フリーマンはブレーブス時代の21年からワールドシリーズでは6試合連続アーチとなり、史上初の快挙となった。2回に1点を返され、1点差に迫られて3回先頭で迎えた2打席目は中飛に倒れた。

 3回には2番手右腕・ハドソンがボルピに逆転満塁本塁打を被弾。3点を追う展開になったが、5回先頭のスミスが右翼へソロを放って2点差となった。3―5の5回無死一塁の3打席目は、2番手左腕のT・ヒルと対戦し、初球のシンカーをはじき返して中前安打を放った。第1戦の4打席目以来、3試合、13打席ぶりの安打となった。さらに続くベッツの遊ゴロでは、左肩亜脱臼を抱えながら、二塁へ意地のスライディングも見せた。

 大谷は26日(同27日)の本拠地での第2戦で、盗塁を試みてスライディングした際に左肩を亜脱臼。第3戦以降の出場が危ぶまれたが、テーピングを施し、ベンチでも患部を温めるなど必死の処置をして前日28日(同29日)の第3戦に出場した。3打数無安打だったが2四死球で先制のホームを踏んでチームの勝利に貢献。それでも、スイングをするたびに表情をゆがめ、走塁中は左手でユニホームをつかんで左肩の負担を軽減するなど、痛々しい姿も見られた。

 第3戦の終了後には「痛みもだんだん引いてきているので、自分のスイングが戻ってきているのかなと思う」と前を向き、あと1勝となった頂点へ「試合の中では痛い、痛くないというのはあまり考えていない。痛くないという気持ちでやっています」と意気込みを口にしていた。

 ドジャースは、第3戦を終えて無傷3連勝。一気にワールドチャンピオンへ王手をかけた。大谷がメジャー7年目にして初めてたどり着いたポストシーズンの舞台。地区シリーズでパドレス、リーグ優勝決定シリーズでメッツを破り、ワールドシリーズでもヤンキース相手に3連勝と破竹の勢いで駆け上がり、頂点まではあと1勝に迫っている。

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