ヤンキースの「ポスト・ジーター」23歳ボルピが起死回生の満塁弾…ヤンキースタジアム熱狂
◆米大リーグ ワールドシリーズ第4戦 ヤンキースードジャーズ(29日、米ニューヨーク州ブロンクス=ヤンキースタジアム)
3連敗で崖っぷちに追い詰められたヤンキースが、1-2で迎えた3回、アンソニー・ボルピ内野手の左越え満塁弾で、逆転に成功した。
伏兵の一撃で、崖っぷちのヤンキースが息を吹き返した。フリーマンの今WS4試合連続本塁打となる先制2ランを浴びて幕を開けた一戦。2回1死二、三塁から、バードゥーゴの一ゴロでまず1点を返した。3回2死満塁で、第2打席を迎えたボルピは、2番手ハドソンの初球、89マイルの内角低めのスライダーを狙い打った。打球速度107・6マイルの低いライナーが、左翼席に一直線。超満員の本拠地は、歓声と絶叫に揺れた。
窮地のヤ軍打線が、粘りの打席を重ねた。1死からジャッジが右手首に死球を受けて出塁。チザムの中前打で一、三塁とすると、チザムは二盗に成功。スタントンが四球を選んで満塁とした。リゾが遊飛で、嫌な流れに傾きかけたが、7番打者が、見事な仕事をしてみせた。三塁をまわったボルピは、叫びながらホームを踏むと、待ち受けたジャッジと飛び上がって体をぶつけ合い、一塁ベンチで手荒い祝福に迎えられた。
試合前、ブーン監督がボルピについて「数字以上に実力がある選手。彼の打席内容をみれば、その質の高さは、皆が知るところだろう。このポストシーズンでメンタルも大きく成長した。これをステップに、打撃でも成長して欲しい。元々守備では、メジャー昇格した時点で、すでに力があった。攻撃面で多少不安定な部分があったが、ロイヤルズとの地区シリーズで、うまく適応し、安定したと思う。大成長という訳じゃないが、一歩ずつ良くなっている。(完成は)数年先かもしれないが、実はとても力強い打撃力がある」と、力説した矢先の一発。2019年のドラフト1巡目、ポスト・ジーターとも言われる23歳の潜在力は、首脳陣が認めるところだ。
オプタスタッツのX(旧ツイッター)によると、ワールドシリーズ史上、負ければ敗退の試合で、逆転満塁弾を放った初の選手という。23歳でのWS満塁弾は史上4人目の若さ。また、他球団も含め1シーズンのポストシーズンで6グランドスラムは史上最多となった。新星ボルピが、本拠地球場を、今シリーズ最高潮に熱狂させた。
10/30 11:07
スポーツ報知