高橋由伸氏がDeNA・東を「立派」と絶賛 日本シリーズの行方は30日第4戦の序盤に注目

ヒーローインタビューでファンの声援に応える東克樹(カメラ・上村 尚平)

◆SMBC日本シリーズ2024第3戦 ソフトバンク1―4DeNA(29日・みずほペイペイドーム福岡)

 DeNA・東は立派だった。けが明けで、チームの流れは悪い。しかも敵地。初回、私の桐蔭学園の後輩・森敬が2つもミスしたのに、1失点でしのいだ。普通なら致命傷になりかねないところ。どんなに足を引っ張られても気持ちを切らさず、振れているソフトバンクに対して丁寧にコースを突き、低めを徹底した。降板する7回まで毎回安打を許しながら、必死に粘った集中力、そして闘志。すべてにおいて「これぞエース」というお手本だった。

 DeNAは乗ったら手が付けられなくなる。巨人はCS最終ステージで痛烈に味わった。ここにきてお祭り男・桑原が決勝弾を放つなど攻守で光った。個人的にキーマンとにらむ牧まで打ち出したら完全にペースを握る。この日本シリーズの行方を左右するのは30日の第4戦、序盤にどっちが流れをつかむかだ。DeNAが「勢い」を加速できるか。オースティンがストライクボールの判定でイライラしているのは気になるが、1~3回は大きなポイントになるだろう。

 一方のソフトバンクは10安打を放つなど、やはり打線は素晴らしい。柳田や近藤ら打つべき人が打てている点、小久保監督に焦りはないと感じる。機能しなかった1番と下位打線をどう組み替えるか。層の厚さは巨人並みだけに、勝つための“引き出し”はたくさんあるはずだ。いずれにしても、30日の序盤に注目したい。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)

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