【阪神】球児新監督後押し「“金の卵”発掘プロジェクト」アジアでもトライアウト開催へ 嶌村聡球団本部長「台湾も見ながら」

育成契約を締結したジーン・アルナエス(右)に声をかける藤川監督(カメラ・義村 治子)

 阪神・嶌村聡球団本部長(57)は29日、国際トライアウト構想を明かした。1月にドミニカ共和国で第1回目のトライアウトを行い、8月には同じ中米のパナマで2回目を開催したが、同本部長は3回目を示唆し「アジアの方でも。台湾も見ながら」と明かした。複数国、複数地域での入団テストは日本球界で異例。虎の“金の卵”発掘プロジェクトが加速する。

 来年3月には兵庫・尼崎市内に新2軍球場が開場予定。施設拡大に伴い育成選手の保有増加も可能となり、同本部長は「その中に外国人選手を入れていきたい」とする。1回目のトライアウトでマルティネスとベタンセスの両投手を育成で獲得。この日、2回目の合格者でジーン・アルナエス内野手(22)と推定年俸300万円で育成契約を締結したと発表。秋季練習にも合流しており、秋季キャンプにも参加予定だ。

 今秋のドラフト会議でも育成契約として過去最多4人を指名。契約更新のマルティネスとベタンセスに加え、21年ドラフト1位の森木が育成契約となり、来季は12人の育成契約選手でスタートする見通しだ。藤川監督も「育成の外国人選手というのは、新しく取り組んでいるところ」と後押しする中長期的な新戦略。常勝軍団構築へ、グローバルな強化を進めていく。(中野 雄太)

 ◆阪神で活躍した最近の主な台湾出身選手 郭李建夫は93年入団。98年まで所属し、通算167登板で27勝31敗19セーブ、防御率3・50。09年の入団テストに合格した鄭凱文(ジェン・カイウン)は12年まで在籍。13年はDeNAでプレーし、通算33登板で2勝3敗、防御率5・16。また、大豊泰昭は中日から矢野とともに関川、久慈とのトレードで移籍し98年から3年間プレー。林威助(リン・ウェイツゥ)は柳川高、近大を経て02年ドラフト7巡目で入団。11年間の通算454試合で270安打、31本塁打、125打点を挙げた。

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