DeNAの下克上日本一へ「つながる」3点 三浦監督が、牧が感じた手応え 

5回終了後、DeNAファンによるコレオグラフィーで「日本一へ」のメッセージが披露された(カメラ・中島 傑)

◆SMBC日本シリーズ2024第1戦 DeNA3―5ソフトバンク(26日・横浜)

 午後10時を過ぎたハマスタを包む応援歌が異様な雰囲気を醸し出した。0―5の9回。DeNA打線が相手守護神のオスナを攻め込んだ。2死二塁から3安打に相手の守備の乱れも絡み3得点を奪い執念を見せた。2死一、三塁、一発が出れば逆転サヨナラの場面で最後は牧が中飛に打ち取られた。それでも三浦大輔監督(50)は「あのまま無抵抗で終わるよりは明日につながりますし、つなげないといけない」。3位からはい上がった底力を見せつけた。

 貯金42のパの圧倒的王者に苦しめられた。2回2死満塁。先発・ジャクソンが投手・有原に直球を捉えられ右前へ運ばれ2点を献上。打線も右腕に7回まで4安打無得点と苦しめられた。指揮官は「ゾーンの際どい所に投げ込まれて、なかなか捉えることができなかった」と脱帽するしかなかった。

 9回には救援陣が痛恨の3点を献上。しかし、そのままでは終わらせなかった。その裏の先頭。オースティンが左中間フェンス直撃の二塁打を放つと、ベイ党のボルテージは一気に上がった。2死を奪われたが、梶原、森敬が連続適時打。続いて代打の切り札・筒香がコールされると声援は最高潮に。右前打でつなぐなど、2点差まで迫る意地を見せた。

 3時間46分の長丁場となったが、最後まで声援を送ったファンに最後の打者となった牧は「実力で負けた感じはしなかった。明日全員でやっていければ」。下克上日本一へ、可能性を感じさせた9回だった。(内藤 菜月)

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