【高校野球】常葉大菊川が4強…エース左腕・大村昂輝が1失点完投&2安打1打点「素直にうれしい」

1失点で完投した大村

◆秋季高校野球東海大会▽準々決勝 常葉大菊川4―1中京(20日・草薙球場)

 2回戦が行われ、初戦の常葉大菊川(静岡1位)は中京(岐阜2位)に4―1で逆転勝利し、2年ぶりのセンバツ切符“当確”に王手をかけた。エース左腕の大村昂輝(2年)が1失点完投、打っても2安打1打点と投打で貢献した。聖隷クリストファー(静岡3位)は至学館(愛知1位)に0-2で敗れ、創部初の甲子園出場は絶望的となった。

  菊川の大村は勝利のグラブタッチを仲間と交わした。スライダーを織り交ぜた打たせる投球で被安打5、1四球の1失点完投に、「素直にうれしい」と喜んだ。序盤は「初戦で緊張していた」ことから投球フォームが崩れていたが回を追うごとに修正した。配球は「信じて投げるだけ」と町田稔樹捕手(2年)任せ。クラス、寮の部屋も同じ「自分の力を出してくれる」女房役に感謝した。「1、2点に抑えれば野手が援護してくれると思っていた」と胸を張った。

 大きな援護をもたらしたのは、9番打者の自身のバットだった。0―1の3回2死から同点の起点になる中前打。4回には3点目となる適時打を放った。県大会では打率1割4分3厘と「自信がなかった」打撃でも勝負強さを発揮。石岡諒哉監督(35)は「下位がつながりが悪かった。一本出れば上位につながるが、大村が打つとは」と驚いた。

 来春センバツの東海地区一般選考枠は3。4強入りでセンバツへ一歩前進し、26日の至学館との準決勝に勝てば“当確”となる。指揮官は「特に明治神宮大会に行く気でみんなやっている」。目標は優勝だ。前回は準優勝で聖地を踏むも、神宮大会出場は叶わず。大村は「やることは変わらない。しっかりと準備するだけ」と一戦必勝の覚悟を示した。(伊藤 明日香)

 ☆常葉大菊川・橘木千空一塁手(4回の適時三塁打を含む5打数4安打)「東海初戦でも1番を任された中で、自信になる結果です」

 ○…聖隷クリストファーはわずか3安打で完封負けを喫し、創部初の甲子園出場は厳しくなった。相手投手の遅球に翻弄(ほんろう)され、3回以降は無安打。1年生エース左腕・高部陸は初回の2失点のみの粘りの投球で2日連続完投したが、打線が報いることができなかった。逢沢開生主将(2年)は「堅守で好投手がいる相手だと手も足も出なくなってしまう。自分たちは弱いと知れたことが収穫」と悔しさを押し殺した。

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