【高校野球】聖光学院の高野結羽が磨いた技術と人間力で運命の日待つ…24日・プロ野球ドラフト会議

今夏の甲子園で力投する聖光学院・高野

 24日のプロ野球ドラフト会議に向けて、東北地区の指名候補選手を紹介する。聖光学院(福島)の高野結羽(ゆう)投手(3年)は、同校で磨いた“人間力”を強みに活躍したいと意欲。同校野球部OBの父・達也さん(39)を聖地に連れていった親孝行右腕が、自然体で運命の日を待つ。

 人として大きく成長した3年間だったと、聖光学院・高野はよどみない口調で言い切った。「仲間のため、人のために野球をやる大切さを学んだ。やってきた3年間は間違っていなかった」。最速145キロの直球、スライダーやチェンジアップなど鋭い変化球を持つが、3年春までは自分のことだけを考え、独りよがりの投球に終始していたという。そんなとき選手間ミーティングでチームメートから「お前を見ていても楽しくない」と痛烈な言葉をかけられた。そこからは試合中の声がけだけでなく、仲間と相談しながら問題を解決したりと、相手のことを考えることでメンタル面もプレー面も成長していった。

 聖光を選んだ理由の一つは“親孝行”だった。父・達也さんも聖光学院野球部でプレー。3年夏は福島大会決勝で敗れるなど甲子園には出場できなかった。「父と同じユニホームを着たい、同じユニホームで甲子園に出たいと思っていた」と聖光に進学。「一球に対する思いがここまで強いとは考えていなかった。予想以上でした」と刺激を受けながら力をつけた。聖地では2、3年夏と2度登板。雄姿を見せることができた。

 プロ野球の印象について「高校よりも個の力、考える力が大事になる。チームが勝つなかで自分をどう出すか」と、高いレベルの中で武器を発揮することが重要と話した。小学生のとき楽天戦を観戦したことを覚えており、「茂木(栄五郎)選手がサヨナラホームランを打った試合でした」と記憶も鮮明だ。現在は現役時にあまりやっていなかったウェートトレや食事面の改善に取り組み、詳しい仲間と一緒に練習を積んでいる。あとは待つだけ。3年間で大人になった高野の名前が呼ばれたとき、新たな“親孝行”の瞬間となる。(有吉 広紀)

 ◆高野 結羽(たかの・ゆう)2006年9月28日、福島・福島市生まれ。18歳。鳥川小では福島ホープスジュニアでプレー。信夫中では軟式野球部に所属。聖光学院では2、3年夏に2度甲子園メンバー入り。177センチ、75キロ。右投左打。

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