“代役”3番「オコエ、中山に背負わせてはあかん」村田真一氏が丸&坂本の奮起促す

6回無死、二ゴロを放ち一塁にヘッドスライディングする丸(一塁手・オースティン=カメラ・佐々木 清勝)

◆2024 JERA クライマックスシリーズ セ・ファイナルステージ 第2戦 巨人1―2DeNA(17日・東京ドーム)

 菅野は気持ちの入った投球をしていたね。ただ、決勝弾となったオースティンへのツーシームの失投だけが悔やまれるよな。内角に構えた捕手のミットとは逆に、打者の手が一番伸びる外角高めに入ってしまった。打ち方を見る限り、おっつけにいくような意識だったはず。バッテリーの狙い通り、内角に投げ切れていたら詰まらせていたはずよ。菅野クラスなら何とか同点のままバトンを渡してほしかったのが本音やけど…。ただ、2試合とも2点に抑えた投手陣は責められんよ。やっぱり打線がはね返さんとね。

 確かに大貫にはいい投球をされた。カットボール、フォークの制球が良く、ベース盤を広く使う投球でつかみきれんかった。でも、5安打じゃ2週間空いて試合勘がまだ戻ってないと思われても仕方ないよな。

 この現状を打破するには、4番・岡本和の前後がカギになる。走者を得点圏に置いて回せば、この日みたいにかえしてくれる。そこで単発で終わらず、次も続いてたたみかけていけたら、本当の流れが生まれるんよ。

 そういう意味では確かに本来3番を打つ(吉川)尚輝の不在は痛いよ。でも、それを嘆いても意味ないねんから。代役として初戦はオコエ、この日は中山が3番に入ったけど、彼らに背負わせてはあかん。彼らが打ってもいわゆるラッキーボーイ。それは主軸がしっかりしている上での“うれしい誤算”みたいなものや。やっぱり丸が出て楽に若手を打席に立たせてやりたいし、坂本が岡本和に続いて快音を飛ばしてほしいよ。巨人の顔やねんから。

 一つ言えることはまだ1勝2敗で、もう1つ負けられるってことよ。1勝したら流れも変わる。自分で自分を追い詰める必要なんて全くないんよ。この大舞台で「緊張するな」なんて誰もが無理。力んだ者同士のぶつかり合いで、いかにシーズン中の試合をするか。それが短期決戦や。2試合で目も慣れたはず。緊張している自分も受け入れて、奮起を願いたいね。(スポーツ報知評論家・村田 真一)

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