「2連勝すればOK」大谷は折れない!!ド軍連敗で崖っぷちも前向き発言連発「後がないという感覚が今の僕にない」

◆米大リーグ・地区シリーズ パドレス6―5ドジャース(8日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が8日(日本時間9日)、地区シリーズ第3戦の敵地・パドレス戦に「1番・DH」でフル出場したが、4打数1安打でチームは逆転負けを喫した。対戦成績は1勝2敗となり、パドレスに王手をかけられて崖っぷちに立たされた。それでも試合後の大谷は「2連勝すればOK」などと、前向き発言を連発。地区シリーズ突破、リーグ優勝決定シリーズ進出へ、残された道は2連勝のみとなった。

 敵地の大歓声にかき消されるようにして、崖っぷちに立たされたドジャースナインはゲームセットになるとすぐにベンチ裏のロッカーへと下がった。大谷は私服に着替え、大粒の汗を流しながら50人以上の日米報道陣に囲まれ「後がないという感覚自体が今の僕にはないと思う。2連勝すればOKというゲームだと思います」と前を向いた。

 見せ場は作った。5点を追う3回無死一塁の2打席目にはバットを折られながら中前安打。2戦、8打席ぶりの安打でチャンスを広げると、1死満塁でT・ヘルナンデスが満塁弾を放って1点差に迫った。1点を追う5回先頭の3打席目は飛距離385フィート(約117メートル)の中飛。データサイト「Baseball Savant」によると、30球団の本拠地ではドジャースタジアムなど4球場であれば柵越えだった当たり。4回以降は両軍無得点でわずかに及ばなかったが、大谷は自身の調子について「状態自体はいいとは思う。(3打席目は)捉えてはいるので、入ってくれたらゲームを戻すいい一打にはなったと思うけど、あと少しのところだった」と悔しさをにじませながらも手応えを口にした。

 初のポストシーズン。ここまで3戦で13打数3安打の打率2割3分1厘、1本塁打とややさみしい数字だ。さらに、この日は敵地の球場史上最多の4万7744人が入り、「BEAT LA!(LAを倒せ!)」の大合唱やブーイングも飛び交った。それでも「盛り上がってて素晴らしかった。ポストシーズンだなっていう感じ。まずここでできることが特別だと思いますし、このゲームをしっかりと自分自身でかみ締めてるところはあると思う」。7年間待ち焦がれてきた舞台をしっかりと堪能している。

 リーグ優勝決定シリーズ進出へ残された道は、2連勝のみ。この日も2回の5点差を3回に1点差まで縮めたチームの粘りに収穫はあり「劣勢から追い上げてますし、自信を持っていい。流れを持ってこられれば、必ず2連勝できると思う」と力強く言い切った。第3戦でパドレスは、第1戦で大谷が3ランを放った右腕のシースが中3日で先発。2冠王、「50―50」達成など伝説的な活躍を見せたシーズンに終止符を打つのは、まだ早い。(安藤 宏太)

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