【オリックス】中嶋聡監督が危惧した「慣れ」の雰囲気 電撃辞任はカンフル剤か 担当記者が分析

雨で中断中、再開を待つオリックス・中嶋聡監督(カメラ・池内 雅彦)

◆パ・リーグ 楽天1×ー8オリックス(6日・楽天モバイル)=7回表1死降雨コールド=

 中嶋監督は自らを、低迷打開のカンフル剤としたのかもしれない。続投要請を受けた9月は8勝15敗。特に打撃陣が深刻だった。9月30日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)では、球団ワーストに並ぶ24度目の完封負けを喫していた。

 成長を願ってきた若手の多くが150キロの直球に力負けし、克服できないままだった。2軍監督、監督代行を含め、オリックス在籍6年目。良くも悪くもチーム全体に「慣れ」のような雰囲気を感じ、淡々と黒星を重ねてしまうことも危惧していたようだ。

 辞任を表明したこの日も「全力疾走であり、攻守交代(のダッシュ)であり。1年間を通してやる、という最低限の約束をしていたんですけど。そこに関しての薄さが出たのかな…」と少し寂しそうにつぶやいた。

 今季は4月の貯金2が最大。12年ぶりの10連敗も喫した夏場は、突然のじんましんにも苦しんだが「俺、あきらめが悪いから。最後まであきらめんで」と常に選手ファーストでチームを鼓舞した。個々の能力を伸ばすことを日々、考えてきた名将。残された者は「中嶋遺産」を受け継ぎ、前へ進むしかない。(オリックス担当・長田 亨)

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