大谷翔平「結果は出る」初のポストシーズンも自信満々「まずは第1打席を大事にして入りたい」

地区シリーズ第1戦を前に、記者会見するドジャース・大谷(カメラ・安藤 宏太)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が4日(日本時間5日)、ポストシーズン(PS)初戦となる地区シリーズ第1戦の本拠地・パドレス戦の前日会見を行い、初舞台へ向け何度も「結果は出る」と、話すなど自信を見せた。54本塁打、130打点の2冠に輝き、59盗塁もマークした記録的シーズン。目標のワールドチャンピオンへ再出発する。

 先制パンチを華麗に決めた。ドジャースタジアムの会見室で椅子に腰掛けた大谷は現地記者から英語で「初のポストシーズンだが緊張するか?」と質問が飛ぶと、アイアトン通訳が訳す前に「No!」と即答。得意げに笑みをこぼすと、約50人の報道陣が笑いに包まれた。

 冗談にも聞こえるが、本気でもあった。日本シリーズ、WBC…と、大舞台は何度も経験。重圧、緊張感が高まる場面でも、結果を残してきた。

 「そのために小さい頃から練習してきてますし、こういう舞台でプレーしたいっていう思いでやってきている。そこが一番。やっぱり楽しみだなっていうことが、今は大きいですかね」

 エンゼルス時代の6年間は無縁だったPS。文句ない成績を残して加入1年目でチームをPSに導いた。9月29日の最終戦後は紅白戦などで実戦形式の打席に入るなどして調整。この日は普段の試合前と同様に屋内の打撃ケージで調整したとみられる。「結果は出ると思う」と、何度も口にするなど初の舞台にも確固たる自信を見せた。

 「疲れは取れてるとは思う。実戦の感覚が一番大事だと思う。そこさえしっかり養えていれば、必ず結果は出ると、みんなそうじゃないかなと思う」

 9月は、月間10本塁打を放つなど月間MVPを受賞する活躍。特に最後10試合は6発、20打点、打率6割2分8厘と絶好調だった。

 「後半になるにつれて、バッティングの感覚もすごいよかった。打席の中での集中力がすごい高かった。そういう感覚をしっかり出していけたら結果が出てくると思ってます」

 試合のなかった5日間は家で過ごす時間も長かった。リラックスした日々で充電した。

 「いつもよりゆっくりめに起きて、おいしいご飯を食べて、(デコピンと)庭で遊んで…、という感じでしたね」

 頂点まであと11勝。パドレス戦は5勝8敗と負け越している。チームも2年連続で敗退している地区シリーズ。「なかなか自分の打席を冷静に送るっていうのは難しい相手ですけど、初めてのポストシーズンでしっかりそれをできれば、十分に数字は残るんじゃないかなと思う。まずは第1打席を大事にして入りたいと思います」。日本人打者が、PS初出場の1打席目で安打を放てばイチロー、松井秀喜以来3人目。「1番・DH」での先発が確実視される大谷の新たな挑戦の幕が開ける。(安藤 宏太)

◆大谷に聞く

 ―これまでのPSはどう見ていたか。

 「ドジャースが優勝した時(20年)も見てましたし、あの時はシアトルで練習しながら見てたので覚えてますし、(18年に右肘の)手術明けで病室で見てたのも覚えている。やっぱ悔しい思いのほうが強い」

 ―これまでの成績はPSでは関係ないと言っていた。

 「シーズン中のパドレス戦で打ったか、打ってないか、ちょっと自分では把握してないんでわからないんですけど、やっぱパドレスは球界の中でも素晴らしいピッチャー陣だと思います」

 ―開幕直後は力みもあったと思うが。

 「早くチームの一員になれるといいな、結果で示したいな、というのが先行していた。後半になるにつれてそういう気持ちもちょっとずつ抜けてきて、本当に自分本来の打席というのが多くなってきたのかなっていう印象は覚えてます」

 ―重圧と闘ってプレーするために何かやっていることは。

 「いや、特別にしてることはないです。好きでここまでやってきてますし、けがもいろいろありましたけど、その度に周りのサポートに助けられて今プレーできている。感謝しかない。自分のプレーを全力でやりたいなと思います」

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