巨人・岡本和真あるぞ「2番」起用「そういう打順で打ってみたい」最終戦で逆転打点王&7年連続30発へ打席増を阿部監督示唆

東京ドームで行われる今季最終戦でタイトル奪取を狙う岡本和真

 巨人・岡本和真内野手(28)が、今季最終戦のDeNA戦(2日、東京D)で3年ぶりの打点王獲得に挑戦する。30日現在、ヤクルト・村上を3差の83打点で追っており、阿部監督は打席が多く回る2番起用を示唆。岡本和は「打ってみたい」とプロ初の打順での出場に意欲を示した。18年シーズン最終戦は2打席連発で史上最年少での「3割、30本塁打、100打点」に到達。7年連続30発にもあと3。ラストスパートの再現に期待がかかる。

 逆転での打点王獲得を目指す岡本和に、追い風が吹くかもしれない。阿部監督がオーダー変更に含みを持たせた。より多くの打席に立ち、初回から打点を稼ぐ可能性を広げるため「2番にしたり。タイトルを取ってほしいというちゃんとした理由がある。優勝を決めてくれたし、個人のことがある人はそっちを優先してあげないと」との考えを披露した。

 打席数を増やす目的なら1番も考えられるが、2番ならば初回にいきなり2ランで複数打点というケースが出てくる。83打点の岡本和が3差で追うヤクルト・村上は残り3戦。試合数が多く逆転は簡単ではないが、ラストチャンスにかけるため、アシストを検討する。

 その親心に、岡本和は“らしい”言葉でアンサーした。阿部監督のプランを伝え聞くと「タイトルとか関係なく」と前置きした上で「そういう打順を打ってみたいなーとは思ってます」とニヤリ。今季は全142試合で4番。プロでは未経験の2番での出場に、純粋な好奇心から意欲を示した。

 優勝争いの重圧から解放されても、バットは好調だ。坂本、丸ら主力が欠場した29日のヤクルト戦(神宮)は「4番・一塁」でフル出場。9回には「完璧に行ったかと思った」と左中間へ大飛球を放った。逆風に押し戻されて惜しくもフェンス際の中飛となったが、3回には左前安打。優勝争いの渦中だった9月を24試合で打率3割5分5厘、6本塁打、18打点と堂々の成績で締めくくった。

 現在27発で、球団では王貞治、松井秀喜以来となる7年連続30本塁打まで残り3本。難しい状況だが、昨年8月6日の広島戦(マツダ)では自身初の1試合3発を放っている。18年は最終戦の阪神戦(甲子園)で初の2打席連発で「3割、30本、100打点」を達成しており、土壇場のミラクルなら経験済みだ。

 勝利打点21は2位に7差をつけてリーグ断トツ。一塁に加えて三塁、左翼にも回るなど数字以上の献身性でも巨人をけん引してきた。「これからもっと厳しい戦いになる」と見据えるCS以降の戦いに弾みをつけるためにも、全力を尽くす。(内田 拓希)

 ◆岡本和の18年最終戦 打率3割8厘、31本塁打、97打点で迎えた10月9日の阪神戦(甲子園)。7回に左中間への勝ち越しソロを放つと、8回に自身初の2打席連発となる33号2ラン。シーズン最終打席で史上最年少となる22歳3か月で「3割、30本塁打、100打点」を達成し、チームも2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決めた。

 ◆主なシーズン最終盤の打順変更

 【96年松井秀喜(巨人)】中日の山崎武司39本に1本差の38本で迎えた10月8日のシーズン最終戦は、本塁打王を争う山崎が在籍する中日戦(東京D)。それまで3、4、5番のクリーンアップで129試合に出場していた松井は1番・右翼で先発したものの、4打席全て四球。勝負を避けられ初タイトルに届かず。

 【00年金本知憲(広島)】2試合を残して打率.315、29本塁打、30盗塁。「3割、30本、30盗塁」にあと本塁打1本とした10月9日の中日戦(広島)で、この年初めて1番で先発出場。2安打ながら不発に終わり、11日ヤクルト(神宮)との最終戦も再び1番で先発。2打席目に30号を放ち、プロ野球7人目のトリプルスリーを達成した。

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