「今までの優勝で一番うれしい」巨人・坂本勇人、4年ぶりに味わう歓喜 阿部監督の胴上げ直後に涙も

浅野翔吾(手前)に炭酸水をかける坂本勇人(カメラ・相川 和寛)

◆JERA セ・リーグ 広島1―8巨人(28日・マツダスタジアム)

 4年ぶりに味わう歓喜の瞬間は格別だった。坂本は笑顔で歓喜の輪に加わった。打撃不振を乗り越えた1年。自身9度目のリーグ優勝で報われた。この日は、開幕戦で任せられた「5番・三塁」に座り、5点リードの9回1死二、三塁でダメ押しの中前適時打。信頼を寄せ続けてくれた阿部監督を胴上げした直後、目には光るものがあった。

 初めて三塁手として迎えた18年目のシーズン。圧巻の守備を見せたが、バットが湿った。いい角度で上がった打球がフェンス手前で外野手のグラブに収まる。6月下旬からルーキーイヤーの07年以来となるファーム調整。G球場のフリー打撃中に手を止め「昔なら、あの時計まで行ってたのにな」とバックスクリーンの電光掲示板を見つめた。

 そのかつての自分にヒントがあった。4、5年前の打撃を映像分析。「昔のフォームを見ても意味ないと思ってたけど、意味あるな」―。18歳から前だけを見据えて進んできた18年間のプロ野球人生。振り返ろうとしなかったその足跡に、復調への道しるべがあった。

 10日・広島戦(マツダ)は決勝の6号ソロを放ち、23日の阪神戦(甲子園)は代打で決勝タイムリー。天王山で輝き、ラストスパートをけん引した。「今までの優勝で一番うれしい」。復活した背番号6が次は日本一奪回へ導く。

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