大谷翔平が「憧れ」のイチロー超え57盗塁で日本人史上最多記録更新 地区Vから一夜明けても存在感

◆米大リーグ ロッキーズ―ドジャース(27日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 ドジャース大谷翔平投手(30)が27日(日本時間28日)、敵地・ロッキーズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、2001年にイチロー(マリナーズ)が樹立した日本人最多56盗塁を更新する、日本人史上最多となる57個目の盗塁を決めた。7月22日の盗塁失敗を最後に、34連続成功となり、成功率は驚異の93・4%だ。

 地区優勝をつかみとり、シャンパンファイトで美酒を浴びても、大谷は走った。2点をリードした2回1死一、二塁の2打席目に右前適時打を放って出塁。すると1死一、三塁で続くベッツの打席の2球目でスタートを切り、二盗を成功させ、相手の守備の乱れを見逃さず三塁まで進んだ。

 昨年9月に右肘手術を受けた影響で今季は打者に専念。開幕前の2、3月のキャンプでは、右肘のリハビリもあって打撃練習の量が制限されたこともあって、走力アップ、走塁練習にも例年以上に力を入れた。その結果、30歳にして「単純にスプリント能力も多少上がっている」と胸を張り、コーチ陣と相手投手の映像を見る研究などで、盗塁へ注ぐ力も増していった。

 さらに、ベッツが離脱した6月からはチャンスメークも求められる1番打者に定着。今では2番以降にベッツ、フリーマン、T・ヘルナンデスらリーグ屈指の強打者が並ぶとあって、進塁することでホームへ生還するチャンスも増え、「得点につながっているのが自信になってくる。進塁して後ろのバッターが返してくれることが、自分の中で積極的に進塁しようという気持ちになる」とモチベーションのひとつにもなった。

 25日(同26日)には、33盗塁連続成功となる二盗を決めて56盗塁。イチローの持っていた日本人記録に23年ぶりに並んだが「もちろん憧れの選手でもありますし、(盗塁の)数が並んだからといって、それが変わることはもちろんないので、引き続き、チーム勝ちの勝ちのためにしっかり走るところ、走っていきたいなと思ってます」と気を引き締め直していた。2試合ぶりの盗塁。7月以降だけで41盗塁とハイペースとあって、この試合を含めた残り3試合でどこまで数字を伸ばせるかにも注目だ。

 ◆大谷のメジャーでの年度別盗塁数

 ▽18年 10

 ▽19年 12

 ▽20年 7

 ▽21年 26

 ▽22年 11

 ▽23年 20

 ▽24年 57

 ◆大谷の今季の月別盗塁数

 ▽3月 1(失敗0)

 ▽4月 4(失敗0)

 ▽5月 8(失敗0)

 ▽6月 3(失敗2)

 ▽7月 12(失敗2)

 ▽8月 15(失敗0)

 ▽9月 14(失敗0)

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