【日本ハム】新庄剛志監督初のCS進出の裏に無敵の人心掌握術あり

新庄剛志監督

◆パ・リーグ 日本ハム2―1楽天(26日・エスコンフィールド)

 日本ハムが楽天を下し、2018年以来6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。12球団最多31度目の逆転勝利で、新庄剛志監督(52)は就任3年目で初のAクラス入り。清宮幸太郎内野手(25)の決勝13号ソロ、開幕投手の伊藤大海投手(27)が11年のダルビッシュ有以来となる3試合連続完投でリーグ単独トップの14勝目を挙げるなど“新庄チルドレン”が躍動。2年連続全球団負け越しでの最下位の屈辱を力に変えた。

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 まき続けた種が3年目で花開いた。「トライアウト」と位置づけ、故障者以外の支配下全選手を1軍で起用した就任1年目からブレずに采配を貫いたことで「ボスならありえる」と選手はどの打順、どんなサインにも動じずプレーする強さを身につけた。

 複数ポジション制も躍進を支えた。内野登録の清宮を外野で、捕手登録の郡司を三塁で起用したように“本職”にこだわらない。好調の選手が日替わりでスタメンを勝ち取ることで競争も激化。開幕時は田宮と水野が、夏場は清宮とレイエスが爆発。月替わりでヒーローが生まれ22年に8連敗、23年に13連敗したチームが最大5連敗と崩れなくなった。2年間で多くのポジションに挑戦させてきたことが要因の一つといえる。

 5月中旬、2軍調整を命じられたメジャー108発のレイエスが下を向かなかったのも「ボスがキャンプの時からそばに居続けてくれたから」。柔軟な采配に無敵の人心掌握術を織り交ぜつかんだ初のAクラス。指揮官は「(完成度)100%。だって他球団と年俸どんだけ違うのよ」と若手主体の躍進に胸を張った。(日本ハム担当・堀内 啓太)

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