大谷翔平、サヨナラチャンスに集中もまさかの三重殺で打席回らず…気持ちが先走り打順間違える場面も

◆米大リーグ ドジャース2-4パドレス(24日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が24日(日本時間25日)、本拠地で地区優勝を争う2位・パドレス戦に「1番・DH」でフル出場したが、9回の絶好機に前の打者が三重殺に倒れる、まさかの幕切れ。首位攻防3連戦の初戦で大谷は1安打に終わり、2ゲーム差に迫られた。パドレスは2年ぶりのプレーオフ進出。ダルビッシュ有投手(38)と松井裕樹投手(28)はシャンパンファイトに参加し、美酒を浴びた。

 信じられないゲームセットをぼう然と見つめた。最大のチャンスで、大谷は打席に立つことすらできなかった。2点を追う9回無死一、二塁。1ストライクから打った9番・ロハスの痛烈なゴロは三塁正面へ。三塁を踏んだマチャドから二塁、そして一塁へと転送され、まさかの三重殺が完成した。

 チャレンジの結果を、ネクストバッターズサークルで祈るように待った大谷だったが、判定は覆らず。「ショックだ。翔平が打席に入らないのは1%以下の可能性だったが、不運にもその小さな可能性の方が出た」。試合後の会見。ロバーツ監督は、椅子に腰掛けると大きなため息をついた。

 22日のロッキーズ戦では9回の大谷、ベッツの連続弾でサヨナラ勝ち。再現の期待が高まった。3点を追う9回、先頭から3連打で2点差。無死一、二塁で、ロハスは初球をバントの構えで見逃した。バント警戒で前進守備を敷いたパドレス内野陣を見て、ベンチは強攻策に変更。これが、裏目に出た。「三重殺の可能性を考えた? いいや、全く。あの結果は最も起こりにくいもの。翔平の打席の前にそれが起きたことに落胆した。マチャドは三塁から一塁に投げると思った」

 3ゲーム差で迎えた首位攻防戦。2勝すれば3年連続の地区Vが決まる中、背番号17の集中力はさすがだった。初回先頭で、初球を右翼へのエンタイトル二塁打。先取点となるホームを踏んだ。95長打は、1930年のB・ハーマンを抜いて94年ぶりの球団新記録。押せ押せムードだった9回には、8番のラックスの打席で早くもネクストに向かい、間違いに気づいてベンチに戻った。気持ちが先走った珍しい場面だった。

 7試合ぶりに本塁打も盗塁もなく「53発&55盗塁」のままだった。それでも、7戦連続安打で打率3割1厘はキープ。試合終了14分後には、シャワーでぬれた髪をなびかせながら足早に帰路に就いた。

 残り5戦で2差。パドレスに2連勝すれば26日(日本時間27日)に地区Vが決まる。まだ有利なのはド軍だ。指揮官は「明日勝つことは非常に重要」と語気を強め、ナインを鼓舞した。(安藤 宏太)

 ◆ドジャース、パドレスの今後の優勝争い

 ▽ドジャース2連勝 26日(日本時間27日)に地区優勝決定。

 ▽1勝1敗 ドジャースに優勝マジック「2」。27日(同28日)からのドジャースは敵地・ロッキーズ3連戦、パドレスは敵地・Dバックス3連戦に優勝決定は持ち越しもド軍有利は変わらず。

 ▽パドレス2連勝 93勝66敗で並ぶが、直接対決の対戦成績で上回るパドレスに優勝マジック「3」が点灯しドジャースは自力V消滅。パドレスは最短28日(同29日)に優勝決定。

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