【オリックス】平野佳寿が現役引退4選手との絆語る「野球を離れたところで感じる寂しさが大きい」

オリックスの新入団選手発表会見で笑顔を見せる高校生1巡目の岡田貴弘(T-岡田=前列右)と希望入団枠の平野佳寿(同左=同中央は中村勝広監督)

◆パ・リーグ オリックス-西武(24日・京セラドーム大阪)

 オリックスが24日の本拠地最終戦(対西武)でT―岡田外野手(36)、安達了一内野手(36)の引退試合を開催した。比嘉幹貴投手(41)、小田裕也外野手(34)も含め、21年からの3連覇に貢献した4選手が今季限りでユニホームを脱ぐことを決断。スポーツ報知では4選手が選んだ「思い出の試合」を紹介。また苦楽を共にした平野佳寿投手(40)が4人との絆を熱く語った。

 比嘉さん、T、安達、小田。年齢が近くて、ご飯に行ったり、プライベートで気軽に話せる人がいなくなる。野球を離れたところで感じる寂しさが大きい。

 比嘉さんは優しいお兄さんだった。ブルペンである投手が、登板直前の後輩を激励しようと、間違えて比嘉さんのお尻をバチン!とたたいてしまった。「アガッ!」(痛い!)と沖縄の方言でビックリする姿を見て、自然と笑いが起きた。誰に対しても、接し方が同じ。自分からイジられにも行く、愛されキャラだからだろう。僕へのアドバイスは言葉が薄くて、記憶に残ってないけど…(笑い)。

 同期入団のTは最初から最後まで変わらず、年齢だけを重ねたという感じ。謙虚で偉ぶることはなくて、穏やかで物静か。怒っているところも、練習を抜いているところも一切、見たことがなかった。

 苦しい思いをしてきたのは安達だと思う。選手として、一番いい時期に直面した潰瘍性大腸炎。試合に出られないぐらい顔が真っ白になり、しんどそうな姿は忘れられない。体調を気遣われるから、周りには「楽、してるな」と思われていたかもしれない。でも彼は「僕だけ、こんなんで…」と責任を感じていた。いろんな気持ちとも最後まで戦った。落ち込む姿をそばで見ていたので、ほっともっとのエラーはもう、気にしなくていいからね。

 小田の守備には何度も助けてもらった。試合の後半から行くプレッシャーは、僕と近いかもしれない。大変なポジションで10年、現役を頑張ったのはすごい。ここ最近、打撃力が上がってきた気もするけど…。

 4人全員、職人気質のところがあった。それぞれの経験をオリックスに還元してもらえれば一番うれしいし、次のステージの活躍を応援したい。そして僕自身も、そんなに先が長いわけではない。現役をやらせてもらえるなら頑張りたいし、一日一日を大切にしていきたい。  (平野 佳寿)

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