【高校野球】石巻が9回2死からサヨナラ勝ち…斎藤大聖捕手が左越え二塁打…宮城県秋季大会

サヨナラ勝ちを決め、喜ぶ石巻ナイン(カメラ・太田 和樹)

◆高校野球◇宮城県秋季大会 ▽1回戦 角田9-10石巻(22日・石巻市民)

 1回戦2試合が行われた。20日の雨で継続試合となった石巻は角田に10―9でサヨナラ勝ちした。8―6の6回1死満塁(2ボール)の再開直後に石巻は押し出し、2点二塁打で3失点し、8―9と一時逆転された。9回2死から連打で追い付き、最後は斎藤大聖捕手(1年)の左越え二塁打で勝負を決めた。

 3日がかりとなった熱戦の幕切れは衝撃的だった。9回2死から追い付き、なお二塁。斎藤が放った打球は左翼手の頭上を高く越えていった。同点打を放った木村颯左翼手(2年)がゆっくり生還し、サヨナラ勝ち。ベンチから飛び出した石巻ナインの笑顔がはじけた。自身初のサヨナラ打。「まず安心した。前の打者がつないでくれたので、決めようと思って打席に入りました」。千載一遇のチャンスをものにした。

 20日に大雨の影響で中断して継続試合となり、21日も雨天中止になった。この日は第2試合として午後4時30分から再開予定だったが、朝から降り続く雨により第1試合の東北―仙台一が中止に。逆に開始が午後2時59分と大幅に早まった。宮城では今年度から継続試合が導入され、7月18日の古川学園―東北学院榴ケ岡に続き今回が2例目だ。

 再開は6回1死満塁の0ストライク2ボールから。直後に押し出し四球、2点二塁打で一時逆転されたが、終盤の粘り強さで再び試合をひっくり返した。捕手としてチームを支えた斎藤は「1死満塁2ボールという一番楽しい場面だった。1日空けても楽しめました」と振り返った。

 人気ゲームの「プロ野球スピリッツ」で、ヤクルトで活躍した古田敦也さんを知った。現役時代は知らないものの「イメージは結構(投手に要求を)言う感じ。ピッチャーが投げやすいキャッチャーになれたらと憧れています」。次戦の東北学院榴ケ岡戦(23日・仙台市民)に向けては「どうやって打ち崩すかを考えてやっていきたい」と気合十分。「野村ID野球の申し子」である頭脳派捕手を参考にする背番号2が、負けじと頭脳で勝負する。

(太田 和樹)

ジャンルで探す