藤川球児氏が称賛 阪神・佐藤輝明の決勝弾の秘けつ 坂本誠志郎が劣勢で要求した最強助っ人への強気の1球

10回2死、宮崎敏郎を打ち取り佐藤輝明(左二人目)とハイタッチする岡留英貴(中央) (カメラ・小泉 洋樹)

◆JERAセ・リーグ DeNA5―6阪神=延長10回=(21日・横浜)

 佐藤輝の延長10回の右翼席への勝ち越し弾は素晴らしい打撃だった。右腕・ウェンデルケンの内角直球を捉える際に、左肘がユニホームの左胸にある8の下を通り、内側から出ていた。そのため、体も開かずにバットが最後に出てくるから打球がファウルにならない。8回の右翼フェンス直撃安打でいい感覚をつかんでいたのだろう。

 攻めの姿勢の重要性が如実に表れた試合でもあった。1点ビハインドの7回無死一、二塁で迎えたオースティンの打席。2ボール1ストライクから内角直球で三ゴロ併殺に仕留めた。外角に変化球を3球続けており、打者の頭にはなかったのではないか。この1球が失敗すれば、ゲームが壊れていた。女房役・坂本の勇気ある配球、劣勢で繰り出した強気の一手だった。結果、この窮地を無失点で乗り切り、8回に同点に追いつく流れをつくった。

 リリーフ陣も耐えしのぎ、こじ開けてつかんだ逆転勝利で、22日からの首位・巨人との直接対決に2ゲーム差で挑める。連勝が必須条件だけに、才木と菅野でぶつかり合う初戦が大一番だ。(藤川 球児)

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