【社会人野球】航空自衛隊千歳 元巨人の2メートル左腕・阿部剣友が本戦に導く…日本選手権北海道地区予選21日開幕

まだ「51」のユニホームが届かないため、コーチの「34」番をつけて練習する航空自衛隊千歳・阿部

 社会人野球日本選手権(10月29日~11月17日・京セラD)の北海道地区予選が21日、大和ハウスプレミストドームで開幕する。開幕試合で日本製鉄室蘭シャークスと対戦する航空自衛隊千歳には、元巨人の身長2メートル左腕・阿部剣友投手(22)が合流。4チームによる総当たりのリーグ戦を勝ち抜き、2年ぶりの本戦出場を目指す。

  約3か月間の“訓練”を経て、航空自衛隊千歳の超大型左腕がマウンドに帰ってきた。チーム唯一の左腕として活躍が期待される阿部は「合流して2か月経って、ようやく腕が振れてきた。いい方向にはなっている」と手応えを口にした。

 札幌大谷高から20年育成ドラフト8位で巨人に入団した。ドラフト指名の日本人最長となる200センチ左腕として注目を集めたが支配下昇格はかなわず。昨年11月に戦力外通告を受けた。軟式を含めて選択肢が複数ある中、高校時代から選択肢に入れていた自衛官の道に進んだ。

 入隊後、4月から埼玉県で訓練を受けた。制服のサイズがなく発注が間に合わなかったため、序盤は1人だけジャージで参加。自衛官の基本動作を学ぶ「基本教練」や10キロ以上の装備を身につけて30キロを歩く体力トレーニングなどの訓練を受け、チームに合流したのは7月中旬だった。訓練中はボールを握ることができずブランクを感じながらも、「ちょっとずつ強いボールも増えてきてる」とうなずく。

 7月の都市対抗には、巨人時代のチームメートであるミキハウス・桜井俊貴、三菱重工West・山下航汰ら元プロが多数出場。大舞台でプレーする姿を見て、刺激を受けてきた。「励みになる。自分ももう1回、社会人で頑張りたい」。現大学4年生世代の22歳。巨人時代の「051」に続き「51」の番号を背負い、野球人生の再スタートを切る。(島山 知房)

 ◆阿部 剣友(あべ・けんゆう)2002年5月17日、北斗市生まれ。22歳。小学3年時に大野少年ダイヤで野球を始め、北斗大野中時代は軟式野球部に所属。札幌大谷高では1年秋に初めてベンチ入り、明治神宮大会で優勝。2年春のセンバツ甲子園に出場。200センチ、98キロ。左投左打。血液型AB。

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