宮城仙北ボーイズ、憧れの甲子園で激闘 惜敗も3年生一丸でつかんだ準優勝 …エイジェックカップ

決勝では5回無失点、最速136キロと気を吐いた菅原

◆2ndエイジェックカップ中学硬式野球グランドチャンピオンシリーズ ▽決勝 ポニー筑後リバーズ3―2宮城仙北ボーイズ=延長9回、8回からタイブレーク=(9月8日・阪神甲子園球場)

 夏の全国大会で優勝した宮城仙北ボーイズは、ボーイズリーグ、リトルシニア、ポニー、ヤング、フレッシュの5リーグの夏季大会優勝チームが競う「2ndエイジェックカップ中学硬式野球グランドチャンピオンシリーズ」に出場。決勝進出して8日に甲子園でポニー筑後リバーズと対戦。延長タイブレークの接戦を演じたが、9回サヨナラ負けを喫し、惜しくも優勝を逃した。優秀選手賞に2試合で10回1/3を3安打無失点の菅原駿投手が選出された。

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 同点の延長9回1死満塁、相手の打球が三遊間を破る。敗戦が決まった瞬間、宮城仙北ナインは、それぞれの守備位置で崩れ落ちた。あふれ出る涙。目標の日本一にわずかに届かなかった。悔し涙はそれだけ真剣に打ち込んできた証だ。

 夢の舞台・甲子園で全力を尽くした。先発・菅原は5回1安打無失点。「マウンドからの景色が良くて投げやすかった」2回に自らのタイムリーで先取点を挙げ、毎回の7奪三振の力投で圧倒。最速は136キロをマークした。

 6回に追いつかれ延長8回からのタイブレークでも意地を見せた。1死満塁の絶体絶命の場面で、3番手・山田が投じた初球は前進守備の二塁手・西田へ。「4―2―3」のホームゲッツーでチェンジ。9回に1点を勝ち越したが、最後の最後で力尽きた。

 3年生25人全員で戦った。選手権大会は鈴木大が世界大会出場のため不在。「(鈴木)大登ともう一度野球をやろう」を合言葉に今大会の出場権をつかんだ。大会登録は20人。佐藤芹は体調不良で現地入りできなかったが4人がサポート役で帯同。準決勝では登録外5人のユニホームをベンチに飾り、一丸となって戦った。

 高橋主将と共にチームを引っ張った宮野は「自分のエラーで同点に追いつかれた(記録は安打)けど、みんなが『気にするな。取り返す』と言ってくれた。負けて悔しいけれど最高の仲間です」と話した。西田と二遊間を組み好プレーを連発した山下は「甲子園は最高の場所でした」。

 「仲間と一番長く試合ができたことが誇りです」と菅原が言った。憧れだった甲子園での激闘。涙が乾いたナインの胸に、みんなでつかんだ銀メダルが誇らしげに輝いていた。

 【宮城仙北ボーイズ・メンバー】※は主将

 ▽3年生 ※高橋一球、山田悠月、菅原駿、鈴木大登、宮野大河、西田悠隼、星遥希、山下怜歩、千葉晴翔、安田篤人、吉野諒、遊佐心翔、早川空臣、神野煌世、久保田悠正、山崎旬也、鈴木蒼翔、佐々木翼、阿部凌久士、平大地、門脇尚希、三浦貫、佐藤健、佐藤芹成、阿部琉生

 【戦績】

 ▽1回戦(7日)

兵庫加古川(ヤング) 6―4 世田谷西(リトルシニア)

 ▽準決勝(7日)

宮城仙北(ボーイズ) 4―0 筥崎ジンジャーズ球団(フレッシュ)

筑後リバーズ(ポニー) 7―6 兵庫加古川(ヤング)

 球場は神姫バスキッピースタジアム

 

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