「油性マジックで行きましょう!」円陣で叫んだ19歳の攻守で巨人のマジック消えずに減った

試合前の円陣で笑顔を見せる浅野(中)(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 巨人6―0DeNA(19日・東京ドーム)

 浅野翔吾外野手(19)の“マジック”が巨人を加速させた。3点リードの5回無死。「とにかく1点でも多く取りたかった。打てる気がしなかったので、可能性がある方を選びました」と自己判断で初球から意表をついたセーフティーバント。絶妙に勢いを殺した打球を三塁線へ転がし、一塁へ気迫のヘッドスライディングで滑り込んだ。5試合連続安打で出塁し、岡本和の2ランを呼び込んだ。12試合ぶりに2番で起用した阿部監督は「自分でセーフティーやったり、何とかっていう姿も見えた」とうなずいた。

 守備でも大ハッスルだ。2回1死で宮崎が右中間に放った大飛球にフェンス際で追いつき、倒れ込みながらジャンピングキャッチ。マウンドの戸郷も帽子を脱ぎ、ファインプレーに最敬礼した。「ナイスプレーでしたけどあれを楽勝で捕れるようになってほしいなと思います」と指揮官。期待を込め、さらなる成長をうながした。

 恒例となった試合前円陣の声出しでも、先輩たちを和ませた。「せっかく(優勝)マジックがついたので…」とユニホームの後ろポケットに手を伸ばし、2本のマジックを取り出すと「水性マジックじゃなくて、油性マジックでいきましょう!」。Vマジックを“消さない”ためのギャグに、先輩たちはややウケ。「面白くなかったですよね…」と頭をかいたが「明日はもう、考えているので」とニヤリだ。前日18日の円陣で配った赤いお守りはベンチの内側にくくりつけられていた。

 攻守と「声」で19歳の奮闘もあり、マジックは8に減った。「ミスを恐れずにどんどんチャレンジしていけたらいいかなと思います」と誓った。(内田 拓希)

 ◆浅野の爆笑円陣

 ▽早くけいろう 9月16日の中日戦(東京D)で「おじいちゃんおばあちゃんに感謝して勝ちましょう。敬老の日なので早くけいろう」と声出し。プロ初の5番で出場し、プロ初犠打。2時間50分で快勝し、先制2ランの岡本和は「(円陣が)すごく良くて、早く帰れました」。

 ▽お守り買っちゃいました 9月18日のDeNA戦(東京D)で「優勝したくてしたくて神社に行ってお祈りして来ました。まだ足りないなと思って…」。オフの17日に都内の神社で購入したお守り18個をナインに配布。御利益で(?)ドローとなり、マジック9が点灯した。

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