「君たちなら大丈夫だ」長嶋さんの激励に巨人ナインが応えた!阿部監督の走塁改革実り初回3点3連勝

1回1死一、二塁、モンテスの一邪飛でタッチアップした二塁走者の吉川は相手の悪送球の間に本塁突入し、貴重な追加点をもぎ取る(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 巨人6―0DeNA(19日・東京ドーム)

 巨人がDeNAを下し、1分けを挟み3連勝で優勝マジックを「8」に減らした。激励に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督(88)=報知新聞社客員=にも快勝を届け、20日からは広島2連戦(マツダ)に臨む。

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 ミスターの熱い言葉を胸に一戦必勝で戦った。電光石火の先制攻撃で主導権を握り6―0で快勝。貯金を今季最多の「16」とし、優勝マジックは1つ減って「8」になった。電光掲示板に「セ・リーグ優勝までM8」と表示されて盛り上がる中、阿部慎之助監督(45)は冷静。「今も大々的にマジック8でなんちゃらって言ってたけど、だから?って話で」と表情を変えず気を引き締めた。

 試合前、長嶋茂雄終身名誉監督が東京Dを訪れてベンチ裏で試合前ミーティングに参加した。「ここからが勝負だ。頑張れ! 君たちなら大丈夫だ!」。力強い激励に選手たちは勇気をもらった。阿部監督は「マジックは出ましたけど、選手には『マジック1になるまで浮かれるな』と言っています」とあいさつ。132試合目でマジック9が点灯した18日から一夜明け、新たな気持ちで臨んだ。

 チームは初回からアクセル全開で結束した。丸の好走塁もあって無死一、三塁の好機を作ると、吉川が右中間に先制二塁打。大城卓の犠飛の後、1死一、二塁からモンテスの一邪飛で吉川が二塁からタッチアップすると、オースティンの三塁悪送球の間に本塁にヘッドスライディングで生還した。気迫むき出しの躍動感あふれる激走に阿部監督も「すごい積極走塁でね。追加点になったので素晴らしい走塁だった。初回に3点取れたのが、すごくゲーム展開を楽にしてくれた」とたたえた。

 昨秋の監督就任直後から走塁改革を掲げ「暴走族になれ」と失敗を恐れない積極走塁を推奨。若手からベテランまで先の塁を狙う意識が浸透した。「ワンヒットで一塁から三塁まで行ったり。丸とか尚輝が当たり前のようにやってくれている。そしたら若い選手は俺らはもっといかなきゃって思うから」と相乗効果は計り知れない。暴走と好走塁は紙一重。シーズン終盤の大事な試合で発揮された。

 長嶋さんが来場した試合を勝利で飾り「久しぶりにね、優勝争いしてうれしかったんでしょうし『まだまだこれからだぞ』とおっしゃっていたので。来ていただいて激励していただいて勝てたのでね、本当にありがたいなと思います」。20日からのマツダ、甲子園での広島、阪神との4連戦へ最高の形で勢いをつけた。(片岡 優帆)

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