DeNAファンの「ハッピーバースデートゥーユー♪」歌い終わりを待った巨人・戸郷翔征の優しさ

ファンとタッチする戸郷翔征(カメラ・小林 泰斗)

◆JERA セ・リーグ 巨人6―0DeNA(19日・東京ドーム)

 巨人がDeNAを下し、1分けを挟み3連勝で優勝マジックを「8」に減らした。先発の戸郷翔征投手(24)が8回4安打無失点と好投し、3年連続で自己最多タイの12勝目。

 試合開始直後の戸郷のしぐさに、人情深い一面が垣間見えた。DeNAの先頭・梶原に初球を投げるのとほぼ同時に、左翼席から「ハッピーバースデートゥーユー♪」と歌声が響いた。25歳の誕生日だった。普段なら小気味いい投球が右腕の持ち味だが、このときはゆっくりとロージンを手に取り、歌い終わるのを待って2球目を投げた。試合後「1年に1回なので、おめでとうございますという意味も込めて、ちょっと待ちました」と明かしてくれた。

 マウンドで打者との駆け引きを繰り返す中でも、応援は「結構聞くタイプ」。各球団の個性あふれるメロディーが好きなこともあるが、心の中では「ピンチをチャンスに変えられたら」と自分へのエールに変換して捉えているという。3点差の4回2死満塁。一発が出れば逆転の場面で左翼席から響いた大声援は、戸郷にとっては心地よい応援だったのかもしれない。(小島 和之)

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