史上初50ー50カモーン!大谷翔平WBC制覇以来546日ぶりマイアミで48号!偉業へ重圧「あまりない」

侍ジャパンをWBC3度目の優勝に導いた大谷翔平

◆米大リーグ 米大リーグ マーリンズ11―9ドジャース(17日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャース大谷翔平投手(30)が17日(日本時間18日)の敵地・マーリンズ戦に「1番・DH」で出場し、3回に5試合ぶりの48号2ランを放ち、通算219本塁打で秋信守(韓国)を抜いてアジア選手単独トップに立った。昨年3月にWBC準決勝、決勝を戦い世界一になったマイアミ・ローンデポパークに約1年半ぶりに凱旋して「48―48(本塁打、盗塁)」とし、史上初の「50―50」へ前進した。

 546日前のような大歓声が、大谷を包み込んだ。WBC決勝から546日。世界一をつかんだマイアミの夜空に、美しい放物線を描いた。

 4点を追う3回1死一塁。WBC決勝・米国戦で投手として最後の打者・トラウトを仕留めたスイーパーを、今度は打者として捉えた。「難しい球でしたけど、そこを打てたというのが良かった」。5戦23打席ぶりの48号2ランは右翼上段へ402フィート(約123メートル)のアーチ。余韻に浸るように、3秒間は走り出すことすらしなかった。

 「50―50(本塁打、盗塁)」に前進する「48―48」。「積み上げていければいい。そこ(50―50)にたどり着くということは、それだけ(チームに)貢献できていること」。米国戦で3万6000人超だった観客は、相手が東地区最下位とあって1万7902人と半分以下だったが、敵地のファンはスターを総立ちで迎えた。

 “日本の日”にアジア選手の頂点に立った。「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」として開催され、試合前には歌手のナオト・インティライミが「君が代」を独唱。大谷は右翼線上で聴き入り、試合ではアジア選手単独トップに立つ米通算219号を放った。乱打戦で敗れはしたものの、大谷の一打を口火に0―4から反撃。WBC準決勝・メキシコ戦の9回先頭、二塁打を放ち「カモーン!」と叫んで逆転サヨナラにつなげた姿と重なった。

 48号はDH史上最多で、球団最多にも王手をかけた。同球場では初本塁打で米30球場目の本塁打。30球団本拠地制覇へ2球場を残すのみとなった。1年前の準決勝、決勝は三塁側ベンチで、この日は一塁側とあり「逆のベンチなので、あまり一緒の感じはしなかったですね」とクールに振り返ったが、「アジアNO1」以外にも記録ずくめのアーチとなった。

 敗戦後、地区優勝へのマジック9が一度消滅したが、ド軍戦後にパドレスが敗れM8が再点灯。次戦に向け、「6―7の(6回2死で三振した)一、三塁の場面の方が得点はしたかった」と今季ワーストタイの1試合3三振の反省も忘れなかった。1試合2発は今季2度、2盗塁以上は9度あり、18日(同19日)の同カードで50―50到達の可能性もある。偉業への重圧は「あまりない」と言ってのけ、続けた。「いい打席を一打席でも多く重ねたい。それはシーズン始まってから今まで変わらない」。マイアミでは残り2戦、シーズンはあと11試合。勝利につながるアーチと盗塁を求めながら、一気に決める。(安藤 宏太)

◆大谷@マイアミの名シーン

 23年3月のWBCで、準決勝・メキシコ戦と決勝・米国戦の2試合を戦った。準決勝では1点を追う9回先頭で二塁打を放ち、塁上で「カモーン」とナインを鼓舞。村上の逆転サヨナラ打につなげた。決勝はDHで出場し、1点リードの9回に抑えとして登板。最後は同僚だったトラウト(エンゼルス)から空振り三振を奪い、胴上げ投手に。帽子とグラブを投げる姿に日本中が歓喜した。

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