「ゲームはある程度つくれたし、ベースカバーもできたから、今日は80点」阿部監督が5回2失点5敗目の井上温大をねぎらった

先発した井上は5回2失点の投球で降板となった(カメラ・池内 雅彦)

◆JERA セ・リーグ 巨人1―4ヤクルト(14日・東京ドーム)

 成長曲線を描く井上温大投手(23)が力投を示したが、勝利には結びつかなかった。5回5安打2失点で、6月13日・楽天戦(楽天モバイル)以来11戦ぶり(救援1試合を含む)の黒星となる5敗目。自身の連勝は5で止まり「もっと粘り強く投球できたかなと思います」と反省の言葉を口にした。

 初回は先頭・長岡に死球となったが「頭の中でプランがあったので、バタバタせずに投げられた」と並木を一ゴロ併殺。2死一塁では村上を内角速球で右飛に封じ、無失点でスタートした。3回まで打者11人全て初球ストライクで、二塁を踏ませず。だが悔やんだのは4回。1死一塁でオスナに右中間へ先制二塁打を許した。その後の適時打含む3安打は全て追い込んでからで「もっと厳しく投げるべきで、そこの精度が悪かった」と振り返った。

 5回を終えると、ベンチで阿部監督から直接声を掛けられた。「ゲームはある程度つくれたし、ベースカバーもできたから、今日は80点」。前回登板を含め、指揮官から度々指摘されてきたのが、ベースカバーに入るのが遅れてしまうこと。この試合では5回の一ゴロでもきっちりと入り、課題をクリアしていた。

 ローテを回って登板するのは高卒5年目で初。菅野、戸郷、グリフィンらとともに優勝争いの中でマウンドに立ち続け、ベンチの計算が立つ頼もしい存在になった。「(V争いをするチームの)ローテーションで回れているのはすごく大きいこと」と喜びもかみ締めながら経験値を積み重ねている。

 シーズンも優勝争いも最終盤。レギュラーシーズンでは残りは2試合ほどの登板が見込まれる。「今日の反省を次につなげたいです」。今季途中からつかんだ座を最後まで離さず、白星を並べてチームの歓喜の輪に入る。(田中 哲)

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