「投げるのと似ている」チームトップ6勝を飾った菅野智之が登板間の調整で大事にしていること

6回途中1失点で6勝目を挙げた菅野(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 巨人3ー2広島(30日・東京ドーム)

 思った通りに封じると、巨人・菅野智之投手(34)はグラブをパチンと叩いた。5回無死一塁。東海大相模、東海大時代の同級生、代打・田中を外角ツーシームで二ゴロ併殺に斬った。「一、二塁間に引っ張ってくるのは分かっていました。すごくいいところにツーシームを投げられましたし、狙い通りに今日一番いいボールだった」。降板まで崩れることなく、5回1/3を6安打1失点でチームトップタイの6勝目を飾った。

 中13日での登板。先発予定だった23日のヤクルト戦は腰痛で回避したが、1週間で立て直した。最速150キロの直球も走り、序盤のピンチを脱して3~5回は1安打のみ。「序盤に真っすぐを使えたので、降りるまでにかけて生きたのかな」と納得の表情で話した。

 登板間の調整では、走り方一つから大事にする。外野のポール間を走る日には、美しい姿勢で仲間を追い抜くほどの勢いで走ることもある。「ちゃんと走れている時は、投げる時もいい。投げるのと似ているから。スイッチの入れ方とか、タイミング。足を踏み込んだ時に力が入っていないと(上半身などが)潰れちゃう。意外と大事」。走り方一つでも細部にまでこだわる姿勢が、長年の活躍を支えている。

 阿部監督も「しっかりゲームはつくってくれたので。ナイスピッチング」と評価した投手陣最年長の投球。チームも首位相手に勝ち越し、右腕は「団子状態なので、こういう積み重ねがすごく大きい」とうなずいた。残り約半分のレギュラーシーズンも、巨人を支えるために腕を振る。(田中 哲)

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