「やはりこの2枚は特別」疲れ見えていたバルドナードにも、とてつもなく頼もしい中川と大勢の存在…清水隆行氏

8セーブ目を挙げた大勢(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 巨人3ー2広島(30日・東京ドーム)

 1点勝負で長打も怖い中、19球全てストレート。大勢自身にも手応えがあったのだろうし、受ける小林も“この強さがあれば大丈夫だ”という思いがそのリードになり、ベルトよりも高めを要求していた。

 故障明けで緊張も力みもあったせいで、コントロールにばらつきこそあったが、球の質はとても良かった。苦しみながらもセーブという結果がついたことが大きい。次の登板は、いつも通りの精神状態で臨めるはずだ。

 中川も1点こそ失ったが、小園を詰まった一飛に仕留めたのは内角高めのシュート系。最高のボールだった。大勢と中川。2人が不在の間、投手陣は粘り強く頑張ってきたが、やはりこの2枚は特別な存在。一気に戻ってきたことは、折り返しを過ぎたチームにとって、とてつもなく頼もしい。

 ケラーも打者を圧倒して抑えられる真っすぐを持っている。8回を右のケラーか、左の中川か臨機応変に任せることもできる。少し疲れが見えていたバルドナードの負担も断然、軽くなる。高梨を含めて、厚みのある救援陣が整ってきた。(野球評論家・清水 隆行)

ジャンルで探す