大谷VSトラウトで新規定の部分的撤廃を主張 米司会者「止めるべき!止めるんだ!」

米大リーグで今季から導入される「ピッチクロック」について、米司会者が部分的な撤廃を求めた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の9回2死で、日本の大谷翔平投手と米国のマイク・トラウト外野手(ともにエンゼルス)が対決。歴史的名勝負の全6球が新規定の違反になるため、「ピッチクロックは止めるべき! 止めるんだ!」と持論を展開している。

トラウトから空振り三振を奪い、吠える大谷翔平【写真:Getty Images】

トラウトから空振り三振を奪い、吠える大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷翔平VSトラウトの歴史的対決で持論

 米大リーグで今季から導入される「ピッチクロック」について、米司会者が部分的な撤廃を求めた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の9回2死で、日本の大谷翔平投手と米国のマイク・トラウト外野手(ともにエンゼルス)が対決。歴史的名勝負の全6球が新規定の違反になるため、「ピッチクロックは止めるべき! 止めるんだ!」と持論を展開している。

 3-2の9回2死走者なし。大谷はトラウトと真っ向勝負を演じた。1ボールからの2球目は160キロを計測した。身を乗り出して見守る両軍ベンチ。客席も総立ちだ。中継では大谷とトラウトの顔がアップにされ、23秒後に3球目を投げた。その後の投球間は28秒、33秒、26秒。祈る米ファンを映し出され、最後は大谷が空振り三振を奪った。

 米ストリーミングサービス「Rokuチャンネル」の「ザ・リッチエイゼン・ショー」の公式YouTubeでは、この打席に注目。司会のエイゼン氏は夢のカードを「史上最高の打席であり、投手と打者の対決」と大絶賛した。その上で「これが(MLBの)レギュラーシーズンだったらピッチクロックが作動しているんですよ」と主張した。

 WBCでは採用されていなかった新ルール。試合時間短縮のため、投手は走者なしは15秒、ありの時は20秒以内に投げなければ1ボールが宣告される。打者は残り8秒までに打席で構えていなければ、ストライクとなる。

米司会者「観客が呼吸も止める瞬間も急がせる」

 エイゼン氏は「素晴らしかった。全てのボールがドラマを作り上げた。全てのボールが、です」と語り、「急がせては実現しない瞬間というものもあるんですよ」と強調した。米国では野球人気向上に試合時間短縮の必要性が取り沙汰されている。この状況に理解を示した上で「いかなるセーブ(が記録される)機会ではピッチクロックは止めるべき! 止めるんだ!」と叫び、続けた。

「オオタニとトラウトの打席でグラブにボールが吸い込まれた瞬間に、ボールだろうが、ストライクだろうが、時計が動き出すんです。投球間隔はほぼ30秒で、打席は2分30秒でしたが、一体誰が気にするのか! 時計は止めないと。スタンドの人たちがのめり込み過ぎて、呼吸も止めているような瞬間も、急がせようとしているんですよ」

 決勝後から米識者から議論を求める声が上がったピッチクロック。エイゼン氏も野球のドラマ性を損なう可能性もあり、大事な場面では導入しないような施策を求めていた。

(THE ANSWER編集部)

ジャンルで探す