藤浪コロナ感染 阪神一時“解散”…全選手自宅待機

阪神藤浪晋太郎(2020年3月11日撮影)

阪神藤浪晋太郎投手(25)が「嗅覚」異常を訴え、新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査で陽性反応が出たことが26日、分かった。日本プロ野球機構(NPB)の選手の感染は初めて。3月14日に藤浪と食事をともにした2選手も「味覚障がい」に類似した症状を申し出ているという。球団は最低1週間の活動休止を決定し、チームは事実上の解散状態。矢野監督や選手らは自宅待機を命じられ、目指す4月24日開幕にも大きな影響が出そうな非常事態に陥った。

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藤浪が新型コロナウイルスに感染したことが判明した。NPB選手では初めて。阪神を激震が襲った。

谷本球団副社長は26日午後、報道陣に応対。藤浪は発熱やせき、倦怠(けんたい)感などの症状はなかったが、ワインやコーヒーの匂いを感じることができない「嗅覚」の異常に気づいたという。2日前の24日に耳鼻咽喉科と内科を受診。コロナウイルスの症状として「嗅覚」や「味覚」の異常が出る場合があり、25日に再度兵庫県内の別の病院を受診した。医師の判断でPCR検査を受診。深夜になって、陽性が判明した。

球団は藤浪との電話で、11日から25日まで過去2週間の会食や行動などをヒアリング。3月14日に、藤浪と食事をともにした選手が複数人いることが判明した。球団は当該選手に体調についての報告を要請。この日の朝までに2選手が「味覚障がい」に類似した症状を申し出たという。ただちに藤浪と「味覚障がい」を訴えた2選手の行動履歴を確認。同副社長は「さすがにこれだけ出てきたので連絡を入れた」とNPBにも現状を報告。2軍の練習試合ソフトバンク戦(鳴尾浜)は急きょ中止した。

阪神の関連施設はものものしい空気に包まれた。昼前から白い防護服姿の業者が甲子園球場の消毒を開始。クラブハウスや通路だけでなくブルペンも消毒が施された。独身寮「虎風荘」に入っていた寮生は、26日中に宿泊施設へ移ることも決定。午後には球団事務所も閉鎖され、球団職員は次々と帰路に就いた。例を見ない非常事態に陥った。

チームは“解散状態”になる。谷本副社長は藤浪の陽性が判明する前の段階で、首脳陣、選手、スタッフ、球団職員について「少なくとも1週間は自宅待機させようと思っています。簡単に言うと、次の指令があるまでは出てくるなという言い方はしています」と説明した。1軍は27日から全体練習を再開し、練習試合も組む予定だったが全て中止。2軍の練習試合も続々キャンセルが決まった。

選手も自宅待機では運動量が大きく制限される。作り上げた戦闘ボディーの維持は難しく、作り直しや実戦感覚を保つことも簡単ではない。しかも1週間は「少なくとも」の条件付きで、藤浪の陽性判明でさらに延びる可能性もある。NPBは4月24日開幕を目指す方向だが、大きなハンディを抱えた阪神が参戦できるのかは現状では不透明だ。

藤浪の検査結果が「陽性」で、さらなる事態の深刻化が想定される。チーム内で感染がさらに拡大する可能性もある。阪神が未曽有の窮地に立たされた。

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