来季4年ぶり捕手復帰の阿部 事実上の“ヘッドコーチ兼任”

捕手再挑戦が決まった阿部

 巨人・阿部慎之助内野手(39)が来季は4年ぶりに捕手に復帰する。原辰徳監督(60)が6日、秋季キャンプ中の宮崎で初めて明言した。今後は若手投手陣の底上げや絶対的正捕手の育成にも大きな期待がかかるが、阿部の直訴を快諾した指揮官の“真意”はどこにあるのか。

 背番号10が扇の要に帰ってくる。この日、ジャイアンツ球場で行われた秋季練習にキャッチャーミットを携えて汗を流した阿部は、報道陣に対して思いを打ち明けた。「本当に悔いがないように自分の心の中で整理して監督に伝え、それを快く受け入れていただいた。体と相談して、もう一度鍛え直したいなと思います」。キャンプで宮崎に滞在中の原監督に電話で自ら捕手復帰の意思を伝え「よし、じゃあ一緒に頑張ろう」との返事をもらったという。

 マスクをかぶれば、当然ケガのリスクは高まる。体はすでに満身創痍だ。慢性的な首痛にも悩まされ、再びファウルチップが直撃すれば引退に追い込まれる可能性だってある。もちろん、それは阿部も覚悟の上なのだろう。

 阿部の捕手復帰を容認した原監督はこの日「それほど長く現役をやれるとは本人も思っていないでしょうし、私自身も5年、10年もとはいかないと思う」と“親心”も示し「レギュラーになるとか、以前のように何試合もということを抜きにして『捕手・慎之助』が存在することはチームにとって大きなこと」と話した。

 前監督時代には阿部が正捕手として不動の4番に座り、主将としてチームを束ねて優勝への原動力となった。その阿部も来年で40歳を迎える。以前と状況は異なるが、捕手・阿部に求める役割は何なのか。

 指揮官が「そこが非常に期待するところ。すごく大きいところ」と語ったのが後輩捕手と若手投手陣の育成・指導だ。従来の一塁でいるよりも、捕手であれば試合中はもちろんブルペンでも投手や捕手、バッテリーそのものに助言、帝王学を伝授しやすくなる。阿部も「自分がどういう立場に置かれているかをまず先に考えないと。一塁に行ってから優勝していないし、そこで迷惑をかけてしまったという責任をすごく感じている」と話している。

 ただ、それだけにとどまらなさそうだ。指揮官は「兄弟的、お兄ちゃん的な役割と同じで鬼軍曹的なところがあってもいいと思いますね。そこが彼の一番人間らしい部分ですもんね」と断言する。捕手として底上げするだけでなく、かつて強烈なリーダーシップを発揮したようにチーム全体に目を光らせ、時には引き締めも図る――。

 3度目の登板となった原政権ではヘッドコーチが空位。阿部はあくまでも現役選手として来季を全うするが、事実上のヘッド兼任となりそうだ。

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