松坂 甲子園凱旋で6勝目も森監督の去就次第では中日退団か

笑顔を見せる松坂

<中日6-2阪神(13日)>中日・松坂大輔投手が38歳のバースデー登板で力投し、白星を飾った。13日の阪神戦(甲子園)で移籍後初めて屋外球場のマウンドに登場。5回5安打1失点の好投を見せて今季6勝目(4敗)をマークした。そんな松坂の来季が、森繁和監督(63)の去就とリンクするとチーム内で言われている。いったいどういうことなのか。

 横浜高時代に春夏連覇の偉業を達成した「平成の怪物」が聖地に帰ってきた。甲子園での公式戦登板は西武時代の2006年6月9日以来、実に12年3か月ぶり。その際、14奪三振で1失点完投勝利を飾ったが、ビシビシと150キロ超の直球を放っていた当時とは違う変化球主体の投球スタイルながら、またも虎狩りを果たした。

 松坂は「誕生日に甲子園で投げるのは20年ぶりです。20年前はアジア大会の決勝でその時は完投したけど、今日の内容はほど遠いけど勝てて良かった。20年前のような投げやすさは感じなかったですね」と苦笑した。

 それでも「カットボールがしっかりコントロールできれば、ある程度は投げられる」と言うようにストライク先行でゲームをつくった。直球も140キロ超ながらキレがあり「このところストレートは良くなかったけど、スピードも出てきて、甲子園の球場が力をくれた」と手応えを口にした。

 横浜高校時代から甲子園でプレーし、ともにプロでしのぎを削ってきた杉内(巨人)や村田(BC栃木)、後藤(DeNA)らの同学年が相次いで引退を表明。「松坂世代」と呼ばれた男の意地もあるのか「僕としては今日はその3人に対して『自分はもう少し頑張るよ』という決意表明にしたかったので、それなりのボールを投げられたのかなとは思う」とホッと安堵の表情を浮かべた。

 そうした発言で、来季以降の現役続行に意欲を見せた松坂だったが、中日内では心配する声も出ている。13日現在、チームは5位に沈んだままで来季も森監督が続投するのか、今季限りで退任となるのか、不透明の状態。最終決定権を持つ白井オーナーは「まだ9月だろ。ガタガタすることないよ」と結論を先延ばしにしている。

 しかし、松坂をテスト入団に導き、再生させた森監督が中日を去ることになれば、松坂に多大な影響を与えるとみられている。投げたがりの松坂が“暴走”しないように森監督は登録抹消、再登録を繰り返すなど、きっちりブレーキをかけてきた。

 チーム関係者は「森監督は、去年まで松坂が悩まされてきた右肩の状態を心配して登板間隔を空けてきた。それに屋根のあるドーム球場での登板に限定してきたり、今回も森監督でなければ、粋な計らいで甲子園でバースデー登板させるなんてことは実現できなかったと思う。松坂にとって森監督は、どれだけ感謝してもしきれないほどの存在。もし、その森監督が中日からいなくなって新しい監督に代わったら、ここまで配慮してもらえるどうかは分からない。松坂にすれば、やりにくくなる可能性が高い」と指摘する。

 さらに森監督が退任した場合、監督、コーチ、フロントなど何らかの肩書で他球団の所属となる可能性もある。そうなると、松坂はすでに国内FA権を取得済みということもあり、別の関係者は「松坂にとって森さんは恩人だからね。もし他球団に行くケースがあるとすれば、松坂が森さんの後を追ってFA権を行使する可能性は十分ある」と、ビクビクしている。

 中日としても今季、観客動員などで多大な恩恵をもたらしてくれた松坂の去就が森監督ともリンクするとなれば、その決断は複雑になってくる。

 森監督の動向次第で松坂の野球人生も大きく変わってきそうだ。

ジャンルで探す